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カテゴリ:日常
近所のたった100メートルほどの細道は
毎年、水道管が破裂する。 その都度、掘り返しの工事が始まるが、1年に一回とは限らない。 1メートルも離れていない場所が、また破裂する。 私が引っ越ししてきて毎年1カ所、もしくは3カ所だったりして 7年の間に10カ所以上は、工事している。 たった100メートルほどの区間なんですけどね。 今日も、夕方。 「1時間、断水します」とのこと。 2時間ほど忘れていたら、水が出だしたので、 夕食を作っていたら、また、断水した。 「あれ?水道管を、閉めて帰ったのかな?」と 思い トコトコ工事現場に出向く。 真っ暗な中で、2人のお兄ちゃんが、 頭から泥水をかぶり、泥まみれになって、 水道管の工事中だった。 「一度終わったのかと思いましたが、まだだったんですね?」 「やり直ししています」 「ご苦労様!!」 私は、お気の毒で、胸が痛んだ。 真っ暗な中で、泥んこの水の中に入って、必死だった。 お腹も空いただろうに。 何かおいしい物でも、持ってこようかな? いやいや、あんなに汚れていては、食べれない。 缶ジュースだったらいいかな?などなどと思い、 家にとって返した。 夫に、 「あと、1時間断水よ。可哀想に2人の男の子が必死で働いているのよ」 と、告げる。 夫、 「へえ~、僕が見た時は、 あいつ達は、昼間、のんきにタバコすったり、ぶらぶらして遊んでた。 もっと、昼間にちゃんと働けばいいのにな~」 と、言う。 急に、私のこころは萎えた。 2日前のテレビのドキュメントを思い出したからだ。 どこかの貧しい国。(忘れた) 廃船解体業の現場だった。海のドッグに廃船があって、 大勢の黒人達が、重い鉄のくさりを担いで 船に取り付けに歩いて行く。そのくさりの太さは 一つが人間の頭ほどの、とんでもない太さなのだ。 廃船を、その、むちゃくちゃ太い鉄の鎖で、引く為に まるで、粘土でできた泥沼のようなドッグのなかを、 男達は、必死でかついで、歩くのだ。 あまりに重くて、 「俺たちを、こき使いやがる!」と、 吐き捨てるようにつぶやく男もいた。 くさりを船に、つないだら、それを機械が引っ張る。 粘土のような泥沼のようなドッグでは、 船は、なかなか動かず、重すぎて、 太いくさりはぶっっちりと切れた。 切れる度に、反動で、太いくさりが飛び、誰かが怪我をし、 死ぬこともあるそうだ。 現場監督が、苦虫をかみつぶしたように、 「これで、もう、3本も切れた」と、つぶやく。 一人の男がにやりとする。 「おまえは、何故、笑ってるんだ?」と、現場監督が聞く。 「仕事が終わらないうちは、日銭が入るから」と言うのだ。 なんだか哀しい。哀しいけれど、これが人生だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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