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カテゴリ:日常
NHKで、認知症の人には、どう対応したらよいか?
と言う番組があったので、少し観た。 番組に出ていた老夫婦は、 夫が介護する人で、 妻が介護を受けていた。 認知症の妻は、汚れた下着をベッドの下に隠し、 風呂に入らず、夫を否定し、部屋の隅であっちを向いて かたくなになっていた。 老いた夫のほうも、へとへとで、心臓を患っていた。 心中しようかと思う人の気持ちがわかると言って 声をつまらせた。 行き詰った夫は、 医療サービスによる介護の仕方を学ぶことになった。 学んだ介護を実行するうちに 妻の様子が、劇的に変化した。 言葉を交わすようになり、料理をし、買い物に行き 一緒に喫茶店でお茶するまでになった。 妻は、ぼけていても 「わたくし、お料理大好きなんですの」と、 美しい言葉を話されるのでした。 以前の痴呆医療では、いつも、薬品で凶暴を緩和したそうだが、 現在の医療は、 患者の気持ちを大切にするテクニックを使うそうだ。 ★文句をつけない ★急がせない ★否定しない ★説得しない ★誇りを傷つけない ★怒らない これは、その介護のテクニックのほんの一部分ですけど、 私には、 「説得しない」という項目が、驚きでした。 説得されると、 いつも、自分の要求を拒否されているという苦しみが 脳に溜まり、それが原因となって、 かたくなになったり、凶暴になったりするらしい。 その妻は、 窓を開けていたら、どろぼうが入ってくる、 のぞかれる、と何度も窓を閉めてほしいと言ったそうだが、 夫は、「大丈夫だよ、だれものぞきはしないよ。 どろぼうも入らないよ」と、いつも説得をしていたのだった。 介護の方法を学んでからは、 「そうかい」と言ってカーテンを閉め、 忘れたころに、開けるようにしたと言う。 私の父がアルツハイマーで、入院していた時だった、 「さあ、家にかえろうか」と、父は言った。 私はやさしく、 「お父さん、ここが家なのよ」とかなんとか言って、説得したものだ。 父は、「あ、そうか」と、すぐに納得して、 ベッドに寝ていてくれたからよかったし、 全く凶暴にはならなかった。 けれど、 心の底で、 家に帰れない哀しみが溜まっていたのかも知れない。 お父さんごめんなさい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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