テーマ:サッカーあれこれ(20135)
カテゴリ:音楽、読書、買い物、日々雑感
日テレで代表メンバーを呼んで特番を組んだ。その中で、プロ転向したばかりの荒川静香が日本代表のためにスケーティングするという企画があった。番組の進行にも痛さを感じていたのだが、荒川の企画が始まりそうになって、痛さに耐えられず、チャンネルを変えようかと思ったが、しばし我慢して見ていた。すると、「前にもあったな、こーいうの」と、遠い日のことを思い出した。
1990年のイタリアワールドカップの決勝戦だ。僕がリアルタイムでW杯を見始めたのは86年のメキシコからだが、90年も準決勝までは面白い試合が多い良い大会だったと思う。最初の試合で最高の試合(ピクシーのユーゴスラビアを大破)をしたものの徐々にトーンダウンしてきたマテウス率いる西ドイツ。開幕戦でカメルーンに負け、最悪のスタートを切りながらも、ブラジル、ユーゴ、イタリアとギリギリの勝負で残ってきた前回覇者マラドーナ。決勝はマラドーナVS西ドイツ。(カニージャ出場停止だった) 痛い決勝戦だった。圧倒的チーム力の差。どん引きのアルゼンチン。それを崩せない西ドイツ。マラドーナに対するイタリア国民のブーイング。点取れない西ドイツ。PKをブレーメに蹴らすマテウス。GKへのバックパスばっかの西ドイツ。ベッケンバウアの隣のオジェックの赤いシャツ。 が、しかし夜中に起きて見ていた高校生の僕と兄ちゃんを一番いらだたせたのは、NHKの実況だった。実況が誰かは知らない。ゲストは、、、王監督だった。実況:「王さん、今のは野球にたとえるとどーでしょう?」 王監督:「・・・。そーですねえ、やはり四番バッターまで回らずに・・・。」 王さん、あんたいいヒトだ。あんたに罪はない。よくわからない場所につれてこられて、聞かれたことに素直に自分のフィールドにたとえて答えてるだけだもんな。 当時、この中継に対する批判が新聞やサッカー雑誌にいくつか掲載された。サッカーファン曰く「せっかくの決勝戦で、試合そっちのけで野球の話すんな!王って、、ふざけんな!」といったところ。まあ、インターネットがあったら2chで祭りって状況だったと思う。それに対しての反論のように新聞に投稿された記事は「王さんがかわいそう」という論旨で、これもまあ納得。NHKは当時でも現在と比べてけして劣らないクオリティの実況中継をしてきたんだが、なぜかあの時だけ変な企画に走っちゃったみたいだ。 結局何が言いたかったかというと、今日の日テレの特番は最高のタイミングで最高の素材を扱えたのに、完全に料理に失敗したってこと。フジのジャンクスポーツだったら、川淵キャプテンと代表選手だけで、かなり面白くいじれそうな気がした。その他の企画・タレントは不要でしたな、完全に。 ちなみに、その後の(90年以降の)王さんのサッカーに関する言動は、つつましやかながらも、同じプロ競技としての理解を示している感じがして好感がもてる。しかし、野球にたとえるのは王監督だけでなくて、まだ誰も成功していないんじゃなかろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年09月19日 13時27分11秒
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