一応１月２２日に見た宝塚歌劇の個人的な感想です。「タカラヅカァ～わかんねーよ！」の方は左に受け流してみてください♪（お客様の中で、ハムファンと宝塚ファンを兼任している方、いらっしゃいませんかぁ～・・・必死です。）

エル・アルコン本公演（１月２２日　１３時３０分開演）から

　　まず演出｡映像を駆使した舞台演出は悪くない｡宝塚というより､演出家斎藤さんらしいﾋﾞｼﾞｭｱﾙこだわりまくったﾋｰﾛｰ戦隊？ものになってる｡(ﾃｨﾘｱﾝ率いるｲｷﾞﾘｽ艦隊対あすか率いるﾌﾞﾗﾝｼｭ･ﾌﾙｰﾙの戦いなんかはしびれた！)やっぱり｢ﾄｺﾄﾝｻｲﾄｰくん｣だねぇ
　ただあんまり情緒はないなぁ｡内容があれもこれも書きたい！と詰め込みすぎで､ｶｯﾄできそうな場面がないからなぁ…(斎藤さんｵﾘｼﾞﾅﾙでﾁﾋﾞｷﾞﾙﾀﾞがﾁﾋﾞﾃｨﾘｱﾝに短剣を渡したのｴﾋﾟｿｰﾄﾞは､斎藤さんお得意のお涙ちょうだい｢またお題目来たｰよ｣場面とはいえｷﾞﾙﾀﾞがﾃｨﾘｱﾝを助ける上での伏線になってる大切な場面だと思う｡)上演時間が長ければ！残念！いつも音楽が流れてる（映画ゲド戦記の寺嶋民哉さんが参加されているとか）感じで主題歌もいいが､第2主題歌が一番！

 で出演者｡

　テイリアン役ﾄｰｺ(安蘭けいさん)上背がないのは仕方ない｡(こっそり「宝塚の武田久」を目指して欲しいと私は思ってる。)ﾃｨﾘｱﾝか？と言われると違うような気がする(漫画から出てきたﾃｨﾘｱﾝを演じられるのはOG麻路さきさんか､主役ﾙﾐﾅｽの前提ならOG香寿たつきさんかな？)やっぱりGacktかﾃﾞｨｱﾎﾟﾛ(２００４年の「ﾛﾏﾝﾁｶ宝塚」というショーに出てきた小悪魔)っぽい｡かつて「花吹雪恋吹雪」で演じた石川五右衛門のような熱さが必要ない役なのが辛いか？歌は期待通りだし､ｺｽﾁｭｰﾑも赤い服とか悪くなかった｡どうせｻｲﾄｰくんなら､上杉謙信を主人公にした戦国物だったらいいのに｡「われは毘沙門天なり！」とか言わせてさ。

　この前日記に書いた「真矢みき」度ですが、思ったよりは頑張ってる。今回は『テイリアン』にとらわれすぎたかな？もう少し自分に酔いまくってもいいよ。次回大劇場『スカーレット・ピンパーネル（紅はこべ）のパーシー（だよね？）は、原作読む限り適役だと思うので、ちょっと期待してます。（そういえばみきちゃんもかつてパーシーを演じてたね）

　ギルダ役あすか（遠野あすかさん）かなり適役！ぴったり！

　ﾄｰｺとの戦いの場面は女大将の風格！誇り高い貴族の称号を持つ女海賊をよく演じきった！白い衣装がよく似合う！ﾗﾌﾞｼｰﾝもよかった上背があるのに､中性的なﾄｰｺﾃｨﾘｱﾝをきちんと男に見せてたのはあすかならではの気配り(樹里咲穂さん位上背があったらやりやすかったろうに)

　歌は劇団四季っぽいけどさすがの上手さです！あすかは相手役としての節度を守りつつ(どっちかつｰと甘い『ｶｯﾌﾟﾙ』よりも『相棒』みたいな印象。)しっかり☆の女主人しているのが好感！そういえば男役スター至上主義の宝塚で、娘役でありながらかなり拍手をもらってたな。『スカーレット・ピンパーネル』マルグリート役もすごく楽しみ！トップコンビ共々はまり役になりそう

　ルミナス役ﾚｵﾝ（柚希礼音さん）の成長ぶりはいいよ！まぁﾙﾐﾅｽ役自体若手男役が演じやすいｱﾎﾎﾞﾝな事もあるから気が楽だったかな｡前作「シークレット・ハンター」の時は周りにおんぶ抱っこだった感じだけど､今自転車でいえば補助車が外れた感じ？声がﾊｽｷｰで花組トップの真飛聖さんぽいやっぱ華やかだしｺｽﾁｭｰﾑ映えるね(明るめの色合いの衣装着せてあげたかったな)

　のびのび育てたいレオンだけど、『スカーレット・ピンパーネル』では敵役ショーブランだろうね。ハードルがそんなに高くない２番手時代にこの手の役もこなしておきましょう。

　ジャラード役ｼｨ（立樹遥さん）暖かくてお父さんって感じ｡さわやかさんだったり貫禄があったり｡ﾋｹﾞも似合わなくもない｡ﾎﾟｽﾄｹﾛ（OG汐美真帆さん）一直線？（本当はショーブラン、この人でみたいな）

　エドヴィン役ｽｽﾞﾐﾝ（涼紫央さん）もちっとｱﾎﾎﾞﾝでよかったのに｡ｱﾎﾎﾞﾝ加減で婚約者を奪われて相手に復讐するのが映えるんですぞ｡演出の影響かな。時間不足で細かくなくてよくわからないキャラになってしまったのがなく残念！

　ベネローブ役ｺﾄﾏﾘ（琴まりえさん）もなぁ・・・　本来甘々なお姫様がうまい娘役なのに、考えすぎたのかちょっと残念｡　第2の相手役なんだけどなぁ…(OG渚あきさんがこの手の役うまいはず)｡ドレスの着こなしとか優雅さは、さすが星組生え抜きの娘役で素敵でした。

　キャプテンブラック役和（和涼華さん）はすっごい儲け役だよ！森の石松みたいで粋な江戸っ子ｲｷﾞﾘｽ版？綺麗だしいいわ！人気上昇中！

　シグリット役ﾐﾅﾐ（南海まりさん）は丸顔のせい？無駄にいい人ぼいが､賢そうで上品でいい（なんか『チャングム』のチェ尚宮みたい）綺麗なﾐﾅﾐ見納め残念

　ニコラス役ｱﾔｶ（綺華れいさん）は第2相手役みたい(ﾆｺﾗｽ役自体そんな感じ？)綺麗なｱﾔｶ見納め残念

その他の出演者。２役のｼﾞｭﾝｺ（英真なおきさん）はﾙﾐﾅｽ父の人の良さ、サンタクルス提督の威厳もよかったなぁ。イザベラ役ユズミ姐さん（万里柚美さん）ベテランなのにさっと若くなる。恐るべし。チビテイリアン役天寿 光希さん、チビギルダ役羽桜しずくさんすばらしく印象に残ってます。この２人が頑張ったからラストシーンのさわやかさにつながったと思います。　ジュリエット役稀鳥まりやさん誰かに似てるな・・・と思ったら映美くららさんに似てないか？ちょっとウザイ役柄だけど度胸とかわいさで乗り切った！

エル・アルコン新人公演（１月２２日　１８時３０分開演）から

　一応新人公演というのは、入団７年目までの団員が１日だけ本公演と同じ演目を役代わりでやる・・・と以前も書いたか。野球で言えば「２軍の優勝選手権大会」かなぁ（ちょっと違うかな。）約２ヶ月の公演の中で１回しかなく、将来有望の若手たちの発表の場でもあり、ちょっと参観日気分。チケットは本公演の半額だが、なにしろ１日しかないのでかなり争奪戦です。私は抽選で当たったんだけど、２年分の運を使い果たしたような・・・

　本公演は､野心満々で悪い男が主人公のピカレスク・ロマンって感じだったけど､新人公演は､自分の目的に向かってさわやかに進み続てて、「頑張って人を陥れて野心のままに動いてね！」と訳のわからない応援をしたくなる主人公って感じだったよ｡（まぁ清く正しく美しい宝塚だからいいんだけど､主人公ﾃｨﾘｱﾝって一応悪い人だからね）

　テイリアン役夢乃 聖夏さんはﾄｰｺよりもﾚｵﾝに似てるかな？上背があるからｺｽﾁｭｰﾑ映えるのは本役さんより得だよね(苦笑)歌はぁ新人公演にうまさを求めてはいけません(よく歌ってたけどね)最後の挨拶では｢笑顔が大事！｣とどこかのｹﾝｽｹみたいな事を言ってて何故か笑いを取ってた｡いい事言ってるのに笑われたのは気の毒？

　ギルダ役の稀鳥まりやさん｡歌も踊りも動きもまだまだだしｾﾘﾌも噛んでたけど､勢いがありがむしゃらで演技はわりといい｡何よりかわいい。やっぱりｴﾐｸﾗに似てるかも｡すごい娘役になるかも？

　ルミナス役の麻尋しゅんさん｡本公演に忠実に行くなら､この人がテイリアン役やったほうがよかったのに｡なまじ上手い人だから､技術よりも若さと勢いでみせるﾙﾐﾅｽ役は勿体無かったかな？(歌は期待していい人なんだけど…調子悪かった？)でも夢乃も麻尋も勉強になったかもね｡

　上手いなと思ったのは､本役ｼﾞｭﾝｺのﾙﾐﾅｽ父役水輝 涼さん｡今宝塚に足りないのは､この手のいいおじさん役をさらっと演じられる人！

　本役ﾕｽﾞﾐ姐さんの羽桜しずくさん｡きれいで粗削りだけど佇まいがいいなぁ…野球でいうトレードである組替で、月組に行くことが決定していて、多分星組最後の舞台になってしまうのだけれどもポジションアップが期待できるかな！（ただ、以前も書いたがオッシーがヤクルトに移籍したようなさみしさを感じるなぁ）

　ジェラード役の鶴美舞夕さん。本役ｼｨは元々暖かい役柄からか､ﾃｨﾘｱﾝの父部分が前面だけど､鶴美は宝塚男役が前面に出してるかな？

　エドウィン役の壱城あずささんは脚本が悪いのか演出が悪いのかちょっと？

　ペネロープ役蒼乃夕妃さんとシグリット役の妃咲せあらさんは正直本役より役にはまってた！特に妃咲さんは「いい人風賢い悪女ミナミちゃん」よりいかにも悪女らしくわかりやすかったかも。

　ニコラス役の如月蓮さんはｱﾔｶがﾄｰｺの相手役？の一人だったのに対して如月さんは忠実な部下って感じ｡

　キャプテンブラック役の真風 涼帆はあまりにも雪組トップ水夏希さんに似ててぶったまげた｡ﾁﾋﾞﾃｨﾘｱﾝ役大輝 真琴さんとチビギルダ役の愛水 せれ奈さん本当に上手い！ジュリエット役音波 みのりさんは本役稀鳥さんのような勢いはないけど娘役らしいか？

　全般的に☆男女役問わず美形が多い！新人公演組長（一番年長で成績のいい人）音花ゆりさん（歌うまかった）の挨拶は退団者や組替えする人にも触れてて､柔らかいいい挨拶だったよ！

技術はともかく､｢時間がわりとあってじっくりとみんなで作り上げた｣ﾚﾍﾞﾙは割りと高い新公でした