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ひなたのにおい

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Oct 20, 2005
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カテゴリ:昔のグナ

 平成2年5月、義弟家族の一員となったグナ。

 その当時の義弟宅には猫好きのお嫁さんと、3歳くらいの長男、
 生後数ヶ月の次男がいた。



 グナもハムスターサイズから少しずつ大きくなって、
 子どもと元気に家の中を走り回るようになった。

 子どもは猫が動物だとわかってはいるが、小さいし、
 ついオモチャと同じように扱ってしまう。
 シッポをもってブンブン振り回したり、
 たんすの引き出しに入れて、頭を出したままバーンと閉めて
 グナが首チョンパになったり。

 2~3歳の子どもはまだ小さくて、弱いものを気をつけて扱う配慮も
 手の器用さもないのだ。
 グナも毎日が必死のサバイバルだ。
 捕まえられると噛みついて自己防衛していたようだ。

 グナもまた猫兄弟同士で噛み合う経験をしていないから
 噛む力加減を学習していない。
 力任せに思いっきり噛みつく。




 そんな噛み猫とは知らず、我が家でグナを初めて預かったときの写真。
 我が家での最初のモミチューは夫ではなく私にした。 
 
       初チュッチュ

 猫のモミチューは知ってはいたが、人間にするのは驚いた。
 このときは本当に愛しいと思った。

 ところがグナはこのあとデビルに豹変する。
 私が座っているといきなり腕や手に噛みついてきて、
 噛みついたまま頭や身体を振って、噛みちぎらん勢いなのだ。

 顔つきも変。目がつり上がって、鼻の下が伸びている。
 いったん私から離れて、全身の毛を逆立て、シッポを膨らませ、
 斜めにちょんちょんとはねながら、噛みつく場所に狙いを定めると
 また飛び掛ってくるのだ。

 私はこのとき、グナが遊んでいるということが理解できず、
 なぜ自分が攻撃されるのかと、半ばパニックになりながら
 大声を出して払いのけたり、グナの手を叩いたりして抵抗した。

 でも、ひとしきり暴れるとまた私のところにチュッチュしに来る。
 今思えば、グナは体当たりで私や夫に甘えたり遊んでもらいに
 寄って来ていたんだ。

 その後もたまに預かったが、身体が大きくなって
 噛みつく力も半端ではなく、私にはどう猛な野獣にしか見えなかった。
 どう扱ってよいか途方に暮れ、預かっても一刻も早く返したかった。
 予定を1日早く繰り上げて義弟に迎えに来てもらったこともあった。

 あれから15年。
 今では、私が執拗になでたり抱こうとしたりしたとき、
 「ごはんちょーだい」と私の足元で正座して鳴いているのに
 私が無視してパソコンやっているときに
  ガブッ!
        きゃあああ~~~!!!
 ということになる。
 でも、私の悲鳴を聞くと、グナは慌てて自分が噛んだ部分を
 「あ、ゴメン」というようになめるのである。



 え・・・?
 悪いのは私のほうですか? やっぱり?





 





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最終更新日  Oct 20, 2005 10:00:18 AM
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