アノとの別れ
今年7月19日の朝、アノは息をひきとりました。台風の影響で、前日から雨でとても蒸し暑い日でした。***** ***** ***** *****アノは、昨年の夏に耳が聞こえなくなり、秋頃からはほとんどグルーミングしなくなって、全身毛玉だらけでボサボサ。食べることだけは執着して、大食いなのに体重は減るいっぽう・・・。うちに来た時は3.4kgあったのに、1.2kgまで減り、それでも私が台所に立つとヨタヨタ歩いてやってきて、何かもらえるまで私の足元でずっと待っているのは昔と変わらない行動でした。年明けからはカリカリが食べられなくなり、ごはんは缶詰のソフト食にしましたが、それも間もなく飲み込めなくなり、ミキサーにかけてペースト食に。それもスプーンでなくては食べなくなり、毎日朝夕、私がスプーンで食べさせていました。そうなってもなお、“爆食”という言葉がぴったりな食べっぷりで、小さく切ったカツオのお刺身は、丸飲みしていました。亡くなる2日前まで食べていたんです。2月下旬からトイレがわからなくなったのか、廊下や部屋のあちこちにシッコをするようになり、全室カーペットの我が家は悲惨な『シッコの館』に・・・。 ちょくちょく獣医さんにお世話になり、精密検査も受けましたが、腎機能低下以外は特に問題はないし、腎機能低下もたいしたものではない、という結果でした。おそらく、アノは10歳にもなってなかったと思うのですが、難聴に始まり、次々と老化の徴候が出て、坂道を転がり落ちるように弱っていき、まるで「正しい老化」の見本のようでしたが、寝たきりにもならず、最後まで自分の足で歩いたし、本当に頑張って生き抜きました。 ***** ***** ***** *****アノは、その日リビングで一人寝ていましたが、明け方4時過ぎ頃、最後の力を振り絞って私の枕元まで歩いて来て、ベッドに飛び乗ろうとして失敗。そのずり落ちた音で私は目が覚めました。その後、浴室に行くというので私もついて行き、多少ひんやりとする浴室の床に横たわり、呼吸が苦しそうに数秒おきに寝返りをうっていました。かかりつけの病院の開始時間を待って、雨の中を車で向かいました。車に乗り込んだときは、まだひーひー呼吸していましたが、やがてしーんと静まりかえり、病院で死亡を確認してもらいました。 「 アニー 」私たち夫婦は、いつもアノをそう呼んでいました。食べることにしか興味がなく、ほとんど甘えてこなかったけど、そのKYぶりにはよく笑わせてもらったし、ふわふわの毛並みには癒されました。本当に可愛くて、猫らしい子でした。アニーとは10年以上は一緒に暮らせると思っていたのに。でも、またきっと、どこかで会おうね。つぐどんとエアコンの風下で涼む(2010.9月)つぐどんの好きな座布団の上で(2011.1月)毛はボソボソだけど、幸せな寝姿(2011.1月)