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November 16, 2006
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カテゴリ:ふと思うこと。
昨夜、伯父が亡くなったと母から電話で連絡がありました。

日曜日に一時退院し、その後、火曜に病院に戻ってきましたが、
すでにその時は病状はかなり悪化。

火曜は従姉(娘)が付き添っていたそうです。

きのうの水曜は従兄(息子)が付き添い、伯父の落ち着いたところを
見計らって帰ってから、伯父は誰にも看取られずに息を引き取ったそうです。


伯父の家は病院から二時間かかる場所にあるため、
もしもの時には、比較的病院が近めの、わたしの実家に
病院から連絡が入ることになっていました。


そして病院から伯父危篤の連絡が入り、数日前、退院したばかりの
父と母がかけつけたところ、数分前に息を引き取ったということでした。


電話口の母は、まさかこんなことになるなんて・・・、と、
絶句していました。

「家に帰りたい」、と、一時退院を待ちわび、
荷物をまとめて、夜から一睡もせずに家族の迎えを待ちわびていた
という伯父の姿。


そしてしぶしぶ、横浜から迎えにやってきた娘夫婦に連れられ、
ニコニコと嬉しそうに笑いながら軽やかに病室を後にする姿・・・・。


入院中、身近に毎日看病していた母にとっては、
とても想像の出来ない知らせだったに違いありません。


わたしも父の入院中、伯父の病室には行ったりきたりし、
お茶を淹れてあげたり、一緒に「大人の塗り絵」を楽しんだり、
差し入れをしてあげたり、冗談を飛ばしあって笑いあったりしていました。

それくらい元気でした。

当初、うちの父のほうが見た目も実際も重病人でした。


入院直後はつらそうでしたが、すぐに薬で元気になり、
他の患者さんたちともすっかり打ち解けていた伯父。

病院のごはんも、文句をいいつつ、しっかり食べていたはずの伯父。

その伯父がこんなに早く亡くなるとは、思いもよりませんでした。


家族の誰もが、そして恐らく本人もが予期しなかったことだと思います。


なぜなら、当初は治療薬の効き目を確認するための、
2週間限りの検査入院ということだったからです。


もしかしたら伯父の最期は、寡黙な医師だけが、
胸に秘めていたことだったのかもしれません。


伯父は明るく話し上手で統率力があり、両親を早くに亡くし、兄弟7人の
長男、家長として、とても頼りにされていた人でした。


引退後はお酒に浮気にと放蕩の限りを尽くし、家族には疎ましがられて
いたようですが、自立心の強い伯父らしく、最期は兄弟や家族に
迷惑をかけずに、ガン判明からたったの数ヶ月で、旅立ってしまいました。


きのう頂戴したコメントで、
<皆それぞれ「良かった」と思っていると思う>、という書き込みが
ありましたが、ほんとうにそうであって欲しいと、
今となっては心から思います。

見放されたはずの家族に対して、病気を通じてではあるものの、
最期に愛情を確認することができたのですから・・・。


伯母(伯父の奥さん)は、医師からなんの告知も受けていなかったようですが、
その伯母の気持ちだけが今は心配です。

伯母は看病が長期戦になることを覚悟していたので・・・。


よく亡くなった方に対して、「ぽっくり逝ってくれてよかった」、
なんてことをよく聞きますが、わたしだったら、
できる限り延命してもらい、心ゆくまでお世話したいと思うからです。
もちろん、本人が苦しまない範囲でではありますが。

これは病人のためというよりは、自分自身を納得させるためにです・・・。


伯父が入院していたところは、口腔外科の病棟で、
緩和ケア病棟でもなんでもなかったので、ほんとうに驚きでした。

たった2週間の入院中、伯父と医師の間でどのような会話が
なされたのかは知りません。

伯父の主治医であると同時に、数年来の父の主治医でもある医師に
聞いてみたい気もしますが、信頼できる先生なので、
伯父の意思を汲み、手の限りを尽くしてくれたとわたしは信じたいと思います。


それでもやはり、空の上で、伯父が今、自分の最期をどんな風に感じているのかは
気になります・・・。


そのくらい、伯父の死は、あまりに突然にやってきました。


子の世話にならずに死にたい


以前、某出版社の方から葬儀について調べて欲しいという依頼があり、
この本を読みました。
いかに回りに迷惑をかけずに、静かに死んでいくかのノウハウを書いた本です。
このような本が今とても売れているそうです。
なんだか寂しいですよね。
最期くらい、家族に甘えて欲しいものです。





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最終更新日  November 16, 2006 12:10:12 PM
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