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想い出は心の宝石箱に。。。

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2021.10.02
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カテゴリ:社会問題
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 長野県千曲市と東筑摩郡築北村にまたがるところに、1,252メートルの

 <​ 姥捨山​ >
という名の山があります。

 

 

                             

 

 

  体が弱り働けなくなった​​60歳以上の老人​​を山に捨てるという、

 <  ​棄老伝説​  >なる
ものが日本各地にあります。姥をこの山に捨てた男が

 名月を見て後悔し、翌日戻って
母を連れ戻ったとする

 

 

       ​  わが心   なぐさめかねつ   更科や
​                            おば捨山に    照る月を見て 

 

 

   古今和歌集に詠われた伝説に、山の名前の由来があるそうです。

 

 

   遺棄伝説というのは、食糧事情が悪く貧しかった日本は、口減らしの為​

 老人を山に
捨てるというお話。


  その中で有名なものといえば、国の御触れに従い老いた母を背負って、泣き泣き

 姥捨て
山へ向かう孝行息子。途中でポキポキと音がします。母を捨てて帰ろうと

 すると、息子が
帰り道迷わぬように、小枝を道すがら母は折ってきたと。


 ポキポキは、枝を折った音だっ
たのでした。己は母を捨てようとしているのに、

 自分のことを考えてくれる母親の​親心​
彼は改心し、また連れ戻って家の床下に

 母を隠します。

 

   

 

 

   その国は隣国から難題をふっかけられており、これが解けなければ攻略すると。

   次々と難問がふっかけられますが、母親が息子を通してその謎を解いたのでした。

   殿さまが彼に褒美をつかわそうとした際、姥捨て山に捨てきれず連れて帰ってきた

   老いた母が、謎をすべて解いたと告白。


  ​ 年寄りの知恵に感心した殿さまは、それ以後姥捨ての御触れを取りやめ、

 老人を
大切にするようなったという言い伝えです。



      
        



                      

   この民間で伝承されている< 棄老伝説 >を題材にして書かれた小説が、1957年に

   出版された深沢七郎の<  ​楢山節考​  >。本小説では、60歳ではなくて70歳

 なると
​楢山まいり​として、老人は捨てられてしまいます。


 おいた母、おりんを楢山に捨てて
戻るという衝撃的なストーリーが、当時物議を

 かもしだしました。
年老いた母は連れ戻されませんが、残された母の持ち物で

 家族が生き延びている姿に、
主人公は悲しみの中で​母の慈愛​に感謝すると

 いうもの。

   

                         

                               


 

  ​我が国の総人口は、令和元(2019)年10月1日現在、1億2,617万人。​

​ 
​​65歳以上人口は、3,589万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も

 ​28.4%​となりました。​​


​​いわゆる​後期高齢者​75歳以上人口は 1,849万人(男性729万人、女性

 1,120万人)で、
​総人口に占める割合は​14.7%​となっています。​

 

​​   100歳越えもめずらしくなくなり、これからは95歳以上を​末期高齢者​と、

 称するのかもしれません。​超高齢者社会​へと突き進む日本。
                          ​​

​ 老々介護そして共倒れを避けるためにも、​親を​介護施設​に​入れることは

 ある意味で​楢山まいり​に通じるものがあるかもしれません。棄老伝説
とは

 <  ​老いと死​  >
という、人間の根本的な問題に迫る命題を、我々に突き付け

 いるのではないでしょうか?!

  
   

 先の見える限られた人生であれば、己が生きることよりも残された供や孫

 たちの​
幸せの為に、自分がなにができるのか?を考えます。遺老伝説の母たち

 は、自分が消え
去ることによって、残された家族が生き延びることを望み、きっと

 悲しみの中でも
家族のために役にたてたという、喜びを感じていたのに違い

 ありません。これこそが、
​​仏にも似た母の < 慈愛  >だと思うのです。​​

 

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Last updated  2021.10.02 12:07:30
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