想い出は心の宝石箱に。。。

 　取り敢えず​単身赴任ということで、​​家族や親族一同と​水杯​を交わし

    ましただ。

​

　そして日の丸の小旗に振られ、皇子は日本を離れました。

　　(^^♪　　勝ってくるぞと　勇ましく

　　　　　誓って故郷（くに）を　出たからは

   　　　　　　　手柄たてずに　死なれよか　(^^♪

　当時の​壁新聞​をひもといて見たのですが、​成田​には数万の女性が（　主催者側

　発表　）皇子を見送りの為に訪れ、柱の陰に隠れて泣く隙間もないほどの、混雑

   ぶりだったと。

　ウイーン国際空港に到着すると、入国審査もなく外交官と同様な扱いを受け

　ました。

　な・なんと・・​金髪の熟女​が、するすると傍に寄ってきて、

　（　　プリンス・悠愛　？　）

　（　　ヤー、イッヒ　ビン　悠愛皇子。　）

​　（　　​グーテンターク、​アイコトバ、　​​ビテ！！​​　）​

​　（　　おいらは男だぎゃ・・ ビデは女性が使用するもの。）
​

　（　　ビデジャナクテ、＜　ビテ　＞！！ドイツゴデ、ドウジョノイミヨ。　）

　（　　アッ、そうなん。それなら、う～～～んと、アイコトバは・・・・　
　

　　　　ビックリポンヤ！！　）

　　

　空港を出ると待っていたのは、ベンツのリムジン。

　運転席と仕切られた後部座席には、テレビモニターやカクテルキャビネット、

　そして​トランクスペースを改造して、​五右衛門風呂​がありますがな。​

 　そして連れていかれたのは、弊社の駐在事務所でなく、ウイーンフィルの根拠地

　である、​ムジーク・フェアラインザール​。

　（　ほえ～～！！　弊社の事務所でないの？？？　）

　（　オホホホ・・・商社の仕事なんて、客の接待でがんしょ。そんなアホな

　　　仕事は、いまいる​子猿所長​で十分ね。皇子には、特別任務があるのよ。）

　妖しく微笑みながら金髪の熟女は、皇子の耳下でそう呟いたのでした。

　おっ～～～、これがテレビで見た、​ニューイヤーコンサート​の

　会場！！！！　そこにいるウイーンフィル団員総てが、弦で譜面台を叩きながら、

　歓迎の意を表しています。

​​　（　それでは早速、​ブラームスの交響曲　４番​を、振って

　　　​クレマス​か？）
​​

​　　と​コンマス​が。　　
​

​　本作品はブラームス52歳の時の作品で、彼は４番を最後にして交響曲を​かくことは

　ありませんでした。

​　皇子は、第一楽章をため息をつくように印象的に、そして淡い色調で第二楽章を、

​　やや明るい彩りの三楽章を経て、バッサカリアによる変奏で全曲を結んだの

　でした。


　

　（　これはわてが、ベルリンフィルを振った時の画像で、ユーチュブにあり

　　　ましたので貼付します。）

　​ブラボー！！ブラボー！！フウライボウ～！！・・・・・・​

　ブルーノ・ワルターやカルロス・クライバーを凌ぐ指揮やんけ！！、という

　称賛の声を聞きながら、私の意識は次第に薄れていったのでした。

　機内で一睡も出来なかったこともあり、演奏の緊張感がとけた瞬間、​​湿疹​でなく
​

​　​失神​・・・・
​

 　残念ながらそのあとの記憶が、まったくございません。　

　目が覚めた時皇子は、ホテルのベッドの中に、横たわっていたのです。

　そして、なんと隣には、全裸のフロイライン。

　チェロを弾き乍ら、チラチラ皇子に流し目を送っていた、あの美しい団員が・・・

 （　ウイーンフィル団員は現代派・古典派も関係なく、もう皇子の指揮に

      メロメロ・・ウエルコメンよ。）

　（　ダンケシェーン　）

　（　ウフッン・・私の体でも、演奏してみてえ～～　）と、

　彼女のホルスタインのような豊満な乳房が、皇子の上に乗りかかったので
 
   ごじゃりまする。

　あ～～あ、悠愛皇子～～～、貞操の危機だっちゃ、まめ・・・・・・・



 　　　　　　　＝＝つづく＝＝　　　　

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