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カテゴリ:アメリカ文化を考える
学校からの帰り道、クラスメイトのアメリカ人Mと同じ電車に乗りながらいろいろ話した。
M:「いつ日本に帰るんだ?」 私:「来月末だよ」 M:「日本の電車は混むんだってなあ」 私:「地獄だよ、地獄!日本には来たことないの?」 M:「まだないなあ。行ってみたいけど」 私:「来ることがあったら連絡くれよ。案内するからさ」 ここまでは何十人もの外国人達と交わした内容である。 実際、みんなに日本に来られて連絡されまくっても困る(苦笑)。 でも社交辞令で言ってるわけじゃないんだ~!! いや、言いたかったのはそんなことではなくて、ここでのMの反応から話は違う方向に展開していったのだ。 M:「おう、行く時は連絡するよ。でもうちのじいちゃんが昔日本に行ったことがあるって言ってたな、そう言えば」 私:「へ~、仕事か何かで?」 M:「いや、観光みたいなもんだよ。なんかエスペラントの会議かなんかで」 エスペラント!!! 皆さんはこの人工言語をご存知だろうか。 私はいつどこでその存在を知ったのか忘れてしまったが、国際共通言語を目指して作られたエスペラントという言語が世界中で細々と広がっているという話は聞いたことがあった。 大学のサークルなどでもエスペラント研究会があったりしたような・・・。 私:「エスペラントかあ!あの人工言語のやつだよね。おじいちゃんは話せたりするんだ?」 M:「エスペラントなんてよく知ってるな、お前!そのことにびっくりだよ。いや、かなりの達人みたいで、自分でエスペラントに関する本も書いてるくらいだからさ。エスペラントを話す人口は少ないけど世界中に散らばってるからその会議とかで世界中を飛び回ってるみたいだよ。俺たち兄弟にも勉強しろとうるさかったけど今のところ逃げてるよ(笑)」 エスペラントを話せるだけでもかなりのレアなのに本まで書いてるとは相当のツワモノである。 ここでネットで調べたエスペラントの概要を紹介しよう。 (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』、エスペラント (Esperanto)で検索) 「エスペラント(Esperanto)はルドヴィコ・ザメンホフが考案した人工言語のこと。どの国の言語でもないため言語による民族感情に左右されないといった利点がある。ヨーロッパの言語を元にしてして作られているため、ヨーロッパの言語の人々にはなじみやすい言語といえる。世界中にエスペラントを信奉している話者が存在するが、この言語を自由に話せる話者はまだ少ない。」 ここまで読んでみて、母国語と外国語という壁をなくすというアイデアは素晴らしいと思った。 現在世界で優勢な言語は英語であるが、母国語として英語を話す人々への絶対的優位はどこまでいっても揺るがないだろう。(エスペラント自身もヨーロッパ言語の人々になじみやすいというのはすでに問題であるが) また、中立的な共通言語を国際コミュニケーションの手段として補助的に用いることは、母国語という文化的アイデンティティの維持を可能にする。 フランスがかつてアフリカにある植民地でフランス語を公用語にする政策を行った結果、旧フランス植民地の公用語、実際に話されている言葉は今でもフランス語である。 文化に根ざした現地の言葉を駆逐するという意味では、英語も同様の影響を各国に与えている。 エスペラントはこれらの問題への回答となり得るのだろうか? ザメンホフは多言語を操る眼科医であったという。 成立したのは今から約120年前の1887年。 全世界での使用者は200万人と推定され、日本では2003年現在、約1500人が日本エスペラント学会に所属している。 20世紀初頭から前半にかけて作家の二葉亭四迷や政治家の新渡戸稲造が普及活動をしていたという。 しかし、世界の全人口の0.03%しか使わない言語を世界共通語と言うことはできまい。 出典元の百科事典、ウィキペディアによれば、「ザメンホフは世界中のあらゆる人が簡単に学ぶことができ、世界中で既に使われている母国語に成り代わるというよりはむしろ第2言語としての国際補助語を目指してこの言語をつくった」そうだが、言語の種類の説明は以下のようになっている。 「エスペラントは人工言語であるため、どの自然言語とも親戚関係にないが、インド・ヨーロッパ語族、特にヨーロッパの言語の影響を強く受けている。発音体型はスラブ語の影響を受けているが、単語は主にロマンス語(フランス語・スペイン語等)、ゲルマン語(ドイツ語・英語等)から採用している。ザメンホフが定義していない文法上の語用論や相については、初期の使用者の母語、すなわちロシア語・ポーランド語・ドイツ語・フランス語の影響を受けている。」 むちゃくちゃ難しそうじゃん(苦笑)! 基本となるアルファベットはほとんど英語のそれに似た28文字であり、単語も「アルファベット」が「alfabeto(アルファベート)」であったり英語と似ている感じもする。 国際語といいながらけっきょく西欧の言語に依存しているところもアジア人としてやはり納得がいかない・・・。 でも例文を見てまったく英語とは異なることを知る。 "Saluton!"(サルートン)= やあ。 "Bonan tagon!"(ボーナン・ターゴン)= こんにちは。 "Kiel vi fartas?"(キーエル・ヴィ・ファルタス)= お元気ですか? "Dankon!"(ダンコン)= ありがとう。 あえて表示できる共通のアルファベットのみを含む表現を選んだのだが、なんか、普通に外国語ですね(笑)。 (上記の会話の続き) M:「じいちゃんからもらった著作をPDFファイルにして保管してあるから今度CDロムに焼いてあげるよ」 私:「おお、ぜひちょうだいよ!でもそれってエスペラントを英語で学ぶって感じなのかな?」 M:「いや、全部エスペラントで書いてあるんだよね。絵とかいっぱいついてるからなんとかなるみたいだよ、俺はよくわからないけど(笑)」 この言語に手を染めるべきか否か・・・・・。 まずは英語ができてからかなー。(←すでに自己矛盾) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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