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2006/03/11
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カテゴリ:おべんきょう
「いくらかな~?」


物にせよ、サービスにせよ、我々が何かを購入する際に値段というものは重要な決定要因になるだろう。


しかし、体調が悪くて病院に行く際にこの考えは出てくるだろうか?



「ふ、ふぇっくしょん!う~む、ちょっと風邪ひいたみたいだから病院行くか。そうだな~、今月はちょっと厳しいし、1,000円以内で済ませよう」



購買者(患者and/or家族)がこういった発想を持てないのにはいくつか原因があるだろう。


1.調子悪い(痛い)のにお金のことなんて考えてる場合じゃない!



2.価格の見積もり・選択肢に関する情報が購買者側にほとんどない



3.商品(検査・処置方法)の選択を行うのが多くの場合購買者ではなく商品提供者(医師)である




1.はともかくとして、2.と3.について少しばかし検討してみたい。



2.は購買者に価格と種類がわかる商品のメニューが渡されていないということである。

実際には診療報酬点数表という、全ての医療行為の価格(点数)が表記されたリストは存在する。

診療報酬は2年に一度改訂されるもので、ちょうど今年の4月に改訂されることになっているのは皆さんもご存知であろう。

基本的に医療の値段というのは医療行為の点数の積み上げによって決定される。

しかし、病院(20床以上)に行くか診療所(19床以下)に行くかによって初診料や再診料が変わったり、自分の保険のステイタスによって計算方法・負担率が変わるなど、とにかく複雑で一般の患者・家族に理解を求めるのが不可能である。


病院でヤケドによる指の処置をしてもらいながら


「あ、これで49点(490円)加算されたから、3割負担の俺にとっては147円分支払いが増えたんだな」


こんな思考が働く人はそうそういまい(苦笑)




3.は結局我々の病気・ケガの診察・検査・処置・投薬を決定するのは医師であるということである。

個々の材料の値段を決めるのは政府であるが、その組み合わせを決めて最終価格を導き出すのは医師だと言うこともできよう。

医師にとって患者の命を救うのに必要な医療行為の選択が価格意識より優先することは理解できる。

しかし、価格(点数)の異なるオプションから最終的にオーダーを出すのは医師であり、価格への意識を持ってくれたり患者側に選択肢を与えてくれたりするのは医師達の良心にゆだねるしかないのが現状であろう。



どんな検査をするか診てみないとわからない外来と手術などある程度めどが立っている入院の違いで予測可能性は変わるのかもしれないが、こちらとしても患者さんの「だいたいどれくらいかかりますか?」という質問にはなかなか答えられない。。。



一方、病院の財務諸表などの情報公開については日本よりずーっと先をいっているアメリカでも、医療サービスの価格についての不透明さは大きな問題となっている。

アメリカでは年齢・性別・症状など諸々のデータが同じで同じ処置を同じ病院の同じ医師から受けたとしても、医療保険の有無、種類によってまったく違う請求額となる現実がある。

それは病院が保険会社と交渉の結果合意を得られた金額を請求しているからである。

多くの加入者を抱える大保険会社は「もっと値下げをしなければ加入者をおたくの病院に送ることはできません」という高い交渉力(bargaining power)を背景に価格を引き下げることができる。

その対極に位置するのが無保険者(uninsured people)。

彼らには医療価格交渉の代理人としての保険会社のバックアップはゼロであり、その結果一番高い医療費が請求されるのだ。

保険を持っている人の3~4倍はざらだという。。。

高い保険料を払う余力のある保険加入者には一番安い医療費が、保険を持てない無保険者には一番高い医療費が請求される矛盾がそこには存在している。

保険がない人々は冒頭に挙げた「調子悪い(痛い)のにお金のことなんて考えてる場合じゃない!」と言うこともできないだろう・・・。


日本と比べ複雑性は増しているが、「いったいいくらかかるかわからない」という患者側の不安は共通していると考える。


このような状況のアメリカであるが、2006年3月9日付けのKaiser Family FoundationによるDaily Health Policy Reportで非常に興味深い記事を見つけた。

「Bush Administration Might Seek Legislation To Require Disclosure of Hospital Price Information, Official Says」 (ブッシュ政権、病院における医療費情報の公開請求の立法化を検討か)

 

この症状ならだいたいこれくらいかかるという情報の公開を義務化するという革新的な法律を作ろうとしているのだ。

この動きは去年から始まった医療費のための税控除個人口座、health savings accounts (HSAs)の促進を意図していると言われている。

価格意識を購買者に持ってもらうことで医療費の削減を進めることが狙いのようだ。

保険会社やプランによって違う価格を全て公表させるのか、それとももっと踏み込んで価格の一本化を迫るのか、詳しいことは私もまだわかっていない。

しかし、すでに医療従事者からの反発はものすごいようだ・・・(苦笑)。

(関連記事:『The Hill』「Hospitals bristle as White House seeks price disclosure」 参照)
 


いずれにしても、医療費が我々に少しでも想定可能なものになることは今後ますます重要になっていくのではないだろうか。


購入予定のない時(=健康な時)はまったく関心を示されないだろうけど・・・。












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Last updated  2006/03/12 02:52:12 AM
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