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カテゴリ:北の大地から
「じゃ、明日は8時に起きて出発しようか」 昨日の夜そう言って消灯したのに、目が覚めたら昼の12時だった・・・。 私は床にふとんを敷いて寝ていたのだが、ベッドにいるJ君を見ると彼もまだ寝ている!! 慌てて起こして聞いてみた。 私:「もしかして、ずっと寝てた?」 J:「はい・・・」 ここに、国境の壁を越えた寝坊男達の新たな友情が芽生えたのだった。 おそらく温泉に浸かりすぎて疲れてしまったのね(笑)。 なんて悠長なことを言っている暇はなく、明日中に東京に帰るつもりだがまだどうやって帰るか決めていないというので旅行代理店へ。 飛行機は安いのは満席で高いのしか残っていなかったので、時間のある学生の必殺技、札幌から上野までの寝台列車という最終手段をとることに。 夜7時半に札幌を発って翌日の昼前に東京に到着かー。 日本の国土を実感できる、そんな時間を贅沢に使った旅もいいなあ。 帰りの足も確保し、急いで本日の目的地へ。 この写真だけでわかったあなたは相当の札幌通だ。(まあ、題名でネタばれしてるんだけど(苦笑)) 2005年3月に造成を完了し、その年の7月1日にグランドオープンしたモエレ沼公園である。 この公園のマスタープランを作成したのがこのお方。 世界的に有名な彫刻家であり、プロダクト・デザイナーでもあったイサム・ノグチ氏である。 私が彼の名前を初めて聞いたのは、母校の大学で所属していた国際交流サークルの部室の隣にあった「ノグチ・ルーム」なる彼の作品のある部屋に入ったときである。 (現在は法科大学院が新築されたため移転されたということである) 彼の作品は彫刻にとどまらず、ユネスコ本部の庭園など大きなスケールの作品、空間の彫刻に広まっている。 モエレ沼公園のマスタープランを完成させた1988年に、ニューヨークで残念ながら84歳で急逝されてしまったが、「全体をひとつの彫刻とみなした公園」が最後の作品になったのである。 広大な園内を歩いて行くと、ちょっと離れたところにピラミッドが見えてきた。 ガラスのピラミッド、「Hidamari」である。 いみじくもフランス人のJも言っていたように、パリのルーヴル美術館の入口のピラミッドを彷彿させる透明感であった。 このピラミッドの内部は休憩所と作品展示場となっていた。 照明はその形、光の出し方によって豊かなバリエーションを生み出す。 また、館内のエレベーターは向こう側が見えるようになっており、グラスの枠が不思議な光景を映し出していた。 他にはこんな作品も。 展示用なのか実用なのかわからなかったが(笑)、不思議な空間を醸し出している。 イサム・ノグチを知らなかったJも興味を惹かれたようで、「後でインターネットでしっかり調べたい」と言っていた。 さらに、このピラミッドの内部でこのような光景まで展開されていた。 何をやっている状況と判断すべきだろうか。 まあ、雑誌の撮影だろう。 「モエレ沼公園であなたに萌えられたいの」 BGMが許されるなら「萌えれいい女」(Self Covered by Twist)。 いかんいかん、高尚な芸術鑑賞日記を汚すところだった。 でも、Jも「彼女はプロフェッショナルのモデルじゃないね?」なんてさすが本場パリジェンヌを見慣れているだけある辛口批評だったのが面白かった。 気を取り直して広大な敷地を探索。 場所によっては残雪が予想以上にすごく、歩いてまわるのにはまだちょっとしんどい。 それでも逆に雪に包まれた景色も神秘的でいいものだ。 一番最初に目に入ったモエレ山。 右に見えるのがTetra Mound。 ダイナミックな三角錐である。 左手前はMusic Shell。 オブジェの手前が舞台になっており、コンサートや舞踊などのパフォーマンスが開催されるという。 Play Mountain。 ピラミッドや南米の古代遺跡を思わせる花崗岩の斜面である。 Jも「インカ帝国の遺跡のようだ」と、息を切らして段を上がる私に感想を言っていた。 こういう風景を見ると「サウザーに苦しめられながらピラミッドの頂上を上がるシュウ」を思い浮かべてしまうのは「北斗の拳」世代の悲しい習性なのだろうか。。。 やっとのことで頂上へ到達。 現在は冬期で休眠中だが、木々に円く囲まれた中心には噴水があるようだ。 いや~、ここはいい! 雪に埋もれてしまって見えなかった作品もあったので、また来てみたい。 まだ行ったことのない皆さんにもぜひ、公園全体であらわされた1つの彫刻を鑑賞して頂きたい。 参照ホームページ: ・ モエレ沼公園公式HP(アクセスやイベント情報はここから) ・ もっと知りたいイサム・ノグチ(Excite.ism)(作品や経歴はこちらを) そうこうしているうちに寝台電車出発まであまり時間がない! というわけで札幌駅直通のビルにあるこちらの国へ。 数あるラーメン店をじっくり選んでいる時間はなかったものの、味噌ラーメンがうまそうな遠軽の「とらや食堂」を選択。 角切りチャーシュー&肉ソボロと味噌味ってなんでこんなに相性がいいんだろう。 もちろんサイドメニューはこちらで決まり。 写真はしっかり撮ったものの2人とも迅速に食べ終えて無事ホームにたどり着いた。 J君、札幌を満喫してくれたかな? おかげでこっちも楽しめました、ありがとう! 思えば、私が一昨年パリに一週間ほど滞在したときは初対面のCのアパートに泊めてもらったんだよなー。 ちなみにパリから帰った数日後になんとなく始めたのがこのブログだった。 ( 記念すべきブログ第一回はルーヴル美術館のマーケティングについて書いた) あの時彼にすごく親切にしてもらった経験が今回Jに少しでも楽しんでもらいたいという気持ちにつながったのだと思う。 J君、今度はまた君のところを訪ねた友人にこのバトンを渡してください。 私自身がそのバトンを受け取りにパリに行くかもしれないけど(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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