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2006/04/02
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カテゴリ:おべんきょう
世界の医学界における4大雑誌と言えば、『Nature』、『Science』、『Lancet』、そして、『The New England Journal of Medicine (NEJM)』である。


医師でも看護師でもない私には、専門的な医学の話はもちろんわからない。


留学中学んだヘルスケアマネジメントの授業では『Healthcare Financial Management』や『Journal of Health Economics』という雑誌の論文がよく使われていた。

(参照:2005-01-31- 『「帝王切開の方が儲かるから・・・」:お医者さんはそんな風に考えるのか!?』



しかし、医療経営に関わる文脈で『NEJM』が登場したケースもあった。


(参照:2005-02-14- 『アメリカにおける営利病院による非営利病院のM&A:我々一般市民にとって良いこと?それとも悪いこと?』



この世界4大医学雑誌の1つである『NEJM』の前編集長であり、タイム誌の『米国で最も影響力のある25人』に選ばれたこともある医師のMarcia Angellがものすごい本を書いた・・・。




ビッグ・ファーマ



写真の左は原著である英語版『The Truth about the Drug Companies』の表紙であり、右は日本語翻訳版『ビッグファーマ~製薬会社の真実』の表紙である。


題名だけでも製薬会社を非難している本なんだろうなー、ということは想像がつくだろう。


もちろん私が読んだのは日本語翻訳版(照)。


読書量が決して多くない私であるが、中でも告発本とか暴露本というのは興味がなくあまり読まない方である。


しかし、今回は扱っているテーマへの興味、著者のユニークな立場に惹きつけられて即買い・即読みしてしまった。

(私が本書を知るきっかけになった日経BPの書評『“やりたい放題”の米国製薬業界を告発』は こちらから)

原著もそうなのだと思うが、全編に渡り巨大製薬会社に対する敵意が剥き出しになっているとも言える文体に驚くが(苦笑)、その一方で具体的な事例、数値をふんだんに盛り込んでいる点に説得力の高さを感じた。


また、アメリカにおける新薬開発から市場展開までの流れを体系的に学ぶことができたのもよかった。

さらに、訳者が注釈として付記した日本との相違点も非常に参考になった。


主要な登場人物・組織を挙げるとすればこうなるだろう


巨大製薬会社


医師


FDA(米国食品医薬品局)


USPTO(米国特許商標局)


NIH(米国国立衛生研究所)

(NIHとはこんな所:過去日記2005-05-06-『【写真満載】世界最高の研究機関NIHを見学』


バイオベンチャー企業

(バイオベンチャーの特徴とは:過去日記2005-05-02- 『8つの会社を立ち上げたアメリカ人ビジネスマンに話を聞く』)


後発品(ジェネリック)製薬会社


米国議会(関係者としてのロビイストも含む)


一般の人々(アメリカ人の患者・家族)



自らの利害を巡り、これらの登場人物達がある時は協力をし、そして別の時には敵対する。


しかし、この中で一番脆弱な存在なのは一般の人々なのではないだろうか・・・。

薬価の高さの理由として製薬会社は開発費の高さを挙げるわけだが、2002年の時点で優良企業ランキングとも言えるフォーチュン500に入っている製薬会社10社の利益の合計は他の490社の利益の合計よりも高かったのである!

この10社の売上における「研究開発費(R&D)」の割合は14%強であったのに対し、「利益」は17%を占めている。。。

財務諸表の中で売上の実に31%を占める「マーケティング・運営管理費」詳細が明らかにされていない点も疑念を高める。


他にも、特許引き延ばしの作戦やマーケティングの在り方についてなど、様々な問題提起がされている。

筆者の挙げる現状の問題点の数々とそれぞれに対する「処方箋」はどれも考えさせられるものばかりだ。


ここまでこき下ろされた製薬業界の反論も見ものである。

訴訟合戦になってしまうのかな、やはり・・・。



本書のきちんとした紹介については先ほどの日経BPの書評に譲るとして(笑)(すごくわかりやすくまとめてあるのでぜひご覧下さい)、ここでは最後に「あとがき」にある著者から患者へのアドバイスを2つほど紹介したい。



『医師が新薬を処方しようとするとき、患者として医師に質問すべきこと』


・「この薬が別の薬よりも良いという科学的根拠、論文はありますか?それとも先生は製薬会社の医薬品情報担当者(MR)の持ってきた情報を根拠にこの薬をお出しになるのでしょうか?」


・「先生はこの薬を作っている会社と金銭的な関係はありますか?」




そ、そんなこと面と向かって聞けるわけないでしょ・・・・。


アメリカ人だったら聞けるのかな・・・。







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Last updated  2006/04/02 08:35:38 PM
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