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2006/06/10
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カテゴリ:おべんきょう
札幌に来て私にどのような変化があったか。

大きく2つある。


1.肉中心から魚中心の食生活になった(魚:肉=9:1くらいかも)


2.冬の間寒いし知らない土地で友達も少ないから(涙)、読書の量が増えた


1についてはこれでもかというくらい報告しているので(笑)、ここでは2について最近読んだおススメの本を2冊紹介したい。

(始めは4冊並べていたのだが、最初の2冊を熱く紹介しすぎたため(苦笑)、今回は2冊にとどめておこうと思う)



ウェブ進化論
ウェブ進化論

まずはイチオシの「ウェブ進化論」から。

この本が提示するインターネットの現状と将来の展望を読んでかなりの衝撃を覚えた。

買ったばかりの新書も気付けば複数の蛍光ペンで彩られ付箋だらけになっていた。

プラス面もマイナス面も含め、こんなに身震いさせられた本は珍しい。

マイクロソフトのビル・ゲイツが開拓した「パーソナルコンピューティング」はそれまで高価な共有財産であったコンピュータの私有化を促進した。

一方、グーグルの創業者ラリー・ページとセルゲイ・ブリンの2人は「インターネット」に無限の可能性を見出し、世界中に蓄積・更新されている知のすべてにアクセスできる世界の実現を目指している。

著者である梅田望夫氏は情報の蓄積や処理をPC内で行うマイクロソフトの世界を(インターネットの)「こちら側」、情報発電所とも言うべき巨大コンピュータシステムをネット上に構築したグーグルの世界を「あちら側」と名付け、Amazon.comやブログ、ソーシャルネットワーキング、ウィキペディアなど様々な事例を紹介している。

身近な例としては、メールにしてもこれまではプロバイダーから付与されたメールアカウントをアウトルックやベッキーなどのメールソフトで管理し受信・送信データはパソコン(こちら側)に保存していた。

ホットメールやヤフーメールなどの、「あちら側」に拠点を置くウェブメールも昔からあったが、容量や使い勝手などの制約がついてまわっていた。

しかし、現在ではウェブメールもかなり進化し、中でもグーグルメール(Gmail)は2ギガの容量と抜群の検索能力、スパムメールに対するフィルターを擁している。

私もいろいろ試運転をした結果、最近メールの本拠地をグーグルメールに移したばかりであるが、その便利さを早くも感じている。

その他にも、「オープンソース現象」「Wisdom of crowds(群集の叡智)」「総表現社会」「チープ革命」「新しい富の分配メカニズム」などなど、斬新かつ重要なキーワードも豊富である。

さらに、携帯電話や高速インターネットといったインフラが世界一とも言える水準にある日本がなぜこんなにもインターネットの中ではアメリカに遅れをとっているのかという議論も興味深かった。

そこには「インターネットは自らの存在を脅かすもの」という、既存メディアの権威など日本のエスタブリッシュメント層の深層心理が働いているという。

アメリカにおけるインターネットに関する理論研究、技術開発、そして新事業創造の数々が紹介されているのを目にすると「ネットの『善』の部分を直視せよ」という著者の主張にも説得力を感じる。


検索エンジンというものを使ったことのある全ての人に読んでもらいたい秀逸の本であると感じているが、今この「ブログ」を読んでいる時点で皆さんも必ずこの本から何かを考えさせられることと思う。


グーグル完全活用本
グーグル完全活用本

最初に紹介した「ウェブ進化論」をインターネット世界の総論とすれば、こちらは現在グーグルで何ができるのかをわかりやすく知ることができる各論といったところだろうか。

グーグルは単なる検索エンジンではない。

この本を読めばすぐに仕える効率的な検索方法がわかるだけでなく、グーグルという企業が提供するサービスの全貌がわかってくる。

さらに、ついこないだ(2006年6月7日付)の日経新聞にはこんな記事が。


米グーグル、ネットで表計算サービス


これまでなら「ふーん、グーグルもいろいろやってるねー」くらいの反応で済んでたと思うのだが、上記の2冊を読んだ今では、「これも壮大な「あちら側」の世界化計画の一環なのだろう」と感じている。

まだテストバージョンということだが、ワードやエクセル、パワーポイントなど「こちら側」で使用されているマイクロソフトの聖域にグーグルが足を踏み入れたことの意義は大きいだろう。


以上、IT系の仕事をしているわけでもない素人の私であるが、インターネットに関する本を2冊紹介してみた。

情報の収集、発表、コミュニケーションの手段がこれまでになく進化している現代社会。

我々自身はどれくらい成長できているのだろうか。

常に時代を健全に批判できるようになるためにも、技術の進歩を含めた世の中の流れにキャッチアップしていきたいと思う。





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Last updated  2006/06/11 09:01:41 AM
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