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カテゴリ:北の大地から
夕張へやってきた。 この町は、先日の日記でも紹介したように債務超過で事実上の倒産を経験し、国の管理下に入ったばかりである。 そこに住む人々、働く人々にとって悪い影響がないことを願っている。 そして、観光地としての機能が存続できているか非常に気になっていた。 果たして、市が運営するこの石炭の歴史村は通常どおり営業していた。 夕張炭鉱のマスコットキャラクター、「ゆうちゃん」がご丁寧にお出迎え。 そして、いきなり目に入った看板がこれ! なんと、夕張メロンの食べ放題イベントである! 1500円でいくらでも食べられるという超お得なもの。 うぉーーーー、こんな大量の「食べられ準備完了」のメロン、初めて見た!! 周りを見ればみんなすごい勢いで食べてる(笑) ランチにジンギスカン丼も食べたし、メロンは腹いっぱい食べるほど好きというわけではないので、私は4分の1サイズ(400円)をトライ。 これまでの人生で食べたメロンの中で最高!! 素材の良さだけでなく、絶妙な熟れ具合が実現した質感と甘み。 本物というものはかくも美しいものなのか。 美味という言葉の意味を実感した。 このおいしさなら食べ放題もいける!とも思ったが、 「いや、充分と言えない程度に抑えておくことにこそおいしさの記憶が残るのだ」という、売れない詩人のような自己暗示をかけることでこの場をしのいだ(笑)。 スタッフとして働いていた夕張市農協青年部の方によると、市の農産物取り扱い実績は31億円であり、全体の96%を占める30億円がメロンの販売額であるという。 夕張メロンのブランドをこれからも広めていくこと、関連商品の開発、そしてメロンだけに頼るのではなく、他の農産物を育てていくことが課題になるのだろう。 お次はこちらの博物館へ。 そもそも石炭とはどのようなエネルギー資源であったのか。 炭鉱での仕事とはどのようなものだったのか。 閉山という結果をもたらしたエネルギー政策の転換とは何だったのか。 今まで考えてもみなかったトピックの数々は非常に考えさせられるものであった。 特に、短期的にも長期的にも危険を伴う炭鉱夫達の働く様子の写真や証言は想像を絶するものだった。 発破(爆弾)を爆発させながら掘り続けていくなんて考えられない・・・。 さらに、夕張の炭鉱でも数々のガス爆発が発生していた・・・。 ここの博物館は写真や年表の展示だけでなく、ライトをつけたヘルメットをかぶり炭鉱の一部を再現した暗く長いトンネルを歩くことが一大アトラクションとなっている。 おじさんの誘導に従って地下のトンネルへ。 初期の炭鉱で見られた「狸掘り」 夫婦一組で行う、それはそれは地道な作業だ。 実際に人が作業してるのかと本気で思わされるほどのリアルさだ。。。 人形だけど、声かけたら怒鳴られそう。 明治、大正、昭和と時代を経るに連れ、採掘の技術も進歩する。 事故が発生した時の救急チームも再現されていた。 全員が一本の命綱を持って進んでいるのがわかる。 成果物である石炭を見せるおじさんの誇らしい顔がかっこいい。 本当にリアルで、思わず敬礼しそうになった(笑)。 時代を支えたかけがえのない歴史を学べたことは本当に有意義だった。 夕張メロンも最高だった。 しかしながら、3連休の中日にも関わらず、このテーマパークへの人出は決して多いとは言えなかった。 何が足りないのだろうか。 観光事業の難しさを感じるとともに、成功している自治体との情報共有など、もっと事態を打開する方法はないのだろうかと考えさせられた。 あー、あのメロン、もう一切れ食べておけばよかった! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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