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カテゴリ:まじめな課外活動
脳神経外科医 福島孝徳 本やテレビでも「神の手」を持つ男として何度も紹介されている世界的に有名な医師の講演を聞いてきた。 題して『日本人脳外科医とアメリカ最前線医療』 「私はいつも全力で最高の仕事をしたいと思っています」 この一言で始まった1時間におよぶプレゼンテーションは本当に中身の濃いものだった。 まずは「世界一の脳外科医」として紹介された20年前に放映のアメリカのドキュメンタリー番組の一部を放映。 全国を飛び回り心身ともに磨り減るであろう脳の手術を1日に6つも精力的にこなす姿が映し出される。 インタビューで「あなたにとって脳神経外科とは?」との質問に「それは患者に奇跡をもたらすということです」と答えていた。 ビデオ上映後、多数の写真、絵を用いてのプレゼンテーションが始まった。 脳下垂体関連疾患、脳卒中、脳出血、脳梗塞などなど福島医師が扱った数多くの症例について手術前と手術後のCTスキャン画像や顔写真などが次々に映し出される。 顔面神経痛の一種である三叉神経痛や、赤ら顔になってしまうクッシング病、顔が黒ずんでしまうネルソン病、不妊の原因となるプロラクチン分泌異常、このような症状全てが脳外科の領域だとは非常に驚いた。 「三叉神経痛の手術は2,200例ほどやっています。これはギネスブックに載ってもいいんじゃないかな(笑)」 他の手術に関しても3桁、4桁の症例数をこなしているすごさ。 63歳となった今でも年間600を越える手術を行っているという。 一ヶ月のうちの一週間をデューク大学病院で、一週間をウェストバージニア大学病院で勤務し、残りは世界中の病院で休みなく出張手術を行っている。 今日もすでに講演までに3件手術をしてきたという・・・。 手術器具の開発にも多く関わり、メーカーと共同開発した器具は200を越える。 医療の結果を導く3要素として、福島医師はこう述べた。 技術・症例数・手術道具 「臨床医は技術がなければ始まりません。そして場数。さらに器具もよいものを使わなければならない」 日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、イタリア、ノルウェー、フランスなどなど、世界中にいる弟子達が大学病院の教授になっているという。 財団を通じて世界中の若手脳外科医を育成している様子を述べた後、こう言った。 「ゴルフで言えば私はジャック・ニクラウスとかアーノルド・パーマーといった往年の名選手なんです。私は次世代のタイガー・ウッズを育てたい」 また、プレゼン中に堅い話の合い間にちりばめられたネタの数々も光っていた。 「福島先生の手術によって今まで痛くて辛かった顔面神経痛もピタッととまるんですねー」 と言いながら映された次のスライドにはピタッとポーズを決めるフィギュアスケートの女子選手の写真が。 「これは私の娘です(笑)」 こういう茶目っ気たっぷりのプレゼンは聞き手を飽きさせない。 他にもCDまで出しているという自分のジャズバンドの写真など、縦横無尽な多才ぶりを披露していた。 なんてすごい人なんだ。。。。 「好きなことをやっていれば休みがなくても疲れません。情熱と言ってもいいかもしれませんね。家族には申し訳ないことも多いですが(苦笑)」 ものすごい刺激を受けた講演であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/08/01 10:21:31 PM
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