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2006/09/14
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カテゴリ:おべんきょう


「どんな発明報奨金制度を設けているかは、今や理工系学生にとって、初任給の額以上に就職先企業を選択する際の重要事項となっている」


理系分野に興味はあったがおつむが追いつかなかったバリバリ文系の私には縁遠い話題であるが(苦笑)、なんともリアルな指摘である。


昨日(2006年9月13日付)の日経新聞朝刊「経済教室」のコーナーにおける「発明利益 技術者へ還元を」と題された論文からの抜粋だ。


知的財産権を専門とする著者の升永英俊弁護士は、青色発光ダイオード(LED)の発明対価をめぐる訴訟で中村修二氏の代理人を務めた経歴も持っている。



著者によれば、現代人類は3回、「富のルールの変遷」を経験している。



Start: 人類誕生~紀元前数千年頃まで → 富の概念無し



1回目: 農業の発見~18世紀後半まで → 農産物が富を具現するルール



2回目: 産業革命~1990年代 → 工業製品優位の富のルール



3回目: 現在 → 知的財産優位の富のルール



なるほど、富を生み出す源が歴史的に農産物から工業製品へ移り、現在は「知的財産や知的財産の衣をまとった工業製品」に移っているということなのだ。


確かに世の中なんでも特許だライセンスだという縛りがきつくなっている気がする。

アイデアやデータというものが世界中を容易に駆け巡る世の中だからこそそれを守る必要性も高くなっているということなのかもしれない。


このような時代を受け、升永弁護士は以下のように論を展開する。


「富を生む知的財産を創造するには、技術者に発明の動機付けを与える必要がある」


ゆえに、企業経営者は「超過利益」を発明対価として支払い、「コストではなく投資と考える発想の転換」をする必要がある。


(筆者による「超過利益」の定義は、【発明にかかる製品が生んだ利益】-【通常利益】-【会社が発明を非独占的に使用できる権利の価値】+【第三者からのライセンス料】であり、あわせて後払い方式を提唱しており、「企業経営を圧迫する」という予期される反論に備えている)


確かに、自分が頑張ってすごい発明をすることが報酬に直結するというのであれば技術者のモチベーションはグッと上がるかもしれない。

新たな技術を生み出すことは日本にとっても産業の盛衰がかかったミッションでもある。

企業としても、技術革新における競争力を向上させるために著者の提唱する技術者への「発明対価支払い」の流れは加速すると私は予想する。



一方で、本当にそれで技術者は満足するのだろうか?という疑問も残る。



アメリカ国立衛生研究所(NIH)で働く友人のAさんはエイズワクチンの研究を進めていらっしゃる。

AさんにNIHを案内して頂いたことは写真付でこのブログにも書いたことがある。


ニューヨークの中華料理店で初めてAさんと会った私は、話にはよく聞いていたアメリカ最大の研究機関NIHについていろいろ質問をさせて頂いた。

その中で、こんなことまで聞いたのだった。
(記憶をたどっての会話の再現なので完全ではないことをご了承いただきたい)


私:「エイズのワクチン発明に成功したらその社会的意義の大きさも去ることながら報酬もすごいんでしょうね?」(今考えると初対面でこんな質問・・・、失礼しました!)


Aさん:「いや、研究員は発明に対して対価は得られないのが普通なんですよ」


私:「えー、そうなんですか!?それじゃモチベーションも低下してしまいませんか?」


Aさん:「うーん、研究者としては充実した設備、環境で研究ができることが幸せですし、ちょっと臭いかもしれませんが、自分の研究によって多くの人を救えるというやりがいの方が報酬よりも大きな要素です。研究者には私のような考えを持った人が多いと思いますよ」



Aさんの回答に素直に感動したことを今でもしっかりと記憶している。


人間のモチベーションとは多様な要素から成り立っているのだ。


自ら奮い立たせる燃料もバランスよく成分をブレンドしていきたい。







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Last updated  2006/09/15 12:50:43 AM
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