テーマ:50代の視点と日常(1298)
カテゴリ:我が家今昔物語
私は小学生の頃から自分の名前が平仮名なのが嫌だった。
(正しくは平仮名まじりというべきか) 同学年に同じ名前だけれど漢字名前の子が二人いて それがちょっと羨ましいと思う時があった。 母が何故か時折、私の名前の平仮名を漢字に変えて書く時があって (母は私の名前を漢字名前にしたかったのだろうか?)なんて思ったりもした。 小学校高学年から書道塾に行っていたのだけれど、 自分の名前が書き難くてしょうがなかった。 高校生になって習字の先生に 漢字二文字の雅号を頂いた時は嬉しかったものだ。 父親に何故この名前なのか聞いたことがある。 「曾祖母ちゃんの名前から一文字、祖母ちゃんから一文字貰った。 (明治以前の女性名は平仮名二文字名前がけっこう多い=とら・いち・まつ・かねetc) あとは子供だから『子』 漢字にすると難しいだろうから、平仮名にした」 わりと安直だった。 自分の母親から名前を貰って、子供につけるなんて (・・・父はマザコンだったのだろうか?) 曾祖母ちゃんにまで名前を貰うなんて (・・・名前考えるのに悩み過ぎて、面倒くさくなったから ご先祖から名前を貰ったと言えば文句無いだろうとかね) 案外安易に名前付けされるものだと思ってもみる。 (関係ないだろうけど、小さい頃からず~っとお祖母ちゃん子だった) 挙句、結婚したら苗字の画数が多い、多い。 旧姓の三倍の画数なものだから、頭でっかちでバランス悪い。 益々書き難くなってしまった自分の名前を書くのがど~も嫌い。 離婚して元の姓になればまだいいか・・・ 父親が生きててこんな話をしたら 「じゃぁ、母ちゃんが書いた漢字で書けばいいじゃねえか」 なんて言われそうだ。 半世紀以上付き合った名前に今でも文句言ってる自分。 長男がぼやいた。 「オレの人生なかなか思う様に前に進めないのってさ 『亀』なんて名前、付けられそうになったからかなぁ」 「縁起がいいし、親戚の誰も使ってないから良いとでも思ったのかなぁ~ でも、『亀』じゃなかったんだからいいじゃない」 ● ● ● ● ● ● ● ● ● 夫の家では生まれてくる子供の名前に決まりごとがあって 親が子供に付ける名前の選択肢があまりにも少なかった。 男子は11画の一字名前 というのがいつの時代からかの決まり事。 だから家の名を継いだ舅兄弟三人、夫もその従兄弟達全員11画一字名前。 同じ家系で、同じ漢字名前で読みが違う男子がいたりする。 命名に決め事があるなら、名前を付けるのに悩む範囲が狭くて良い様にも思える。 何しろ子供の名前を考えるのは親にすれば、喜ばしい悩みでも これから我が子に生涯寄り添う文字になるのだから、考え様によっては 産みの苦しみ程になるやもしれないのが我が子の名前。 しかし、夫と私には自分の子供に 名前をつける権利は勿論、選ぶ権利さえ無かった。 我が家には決まり事以上に絶対的権力をもった ご先祖大事で神頼みが大好きな姑の存在があったからだ。 その姑が11画の一字名前から選択したのはなんと 亀 「『鶴は千年亀は万年』、めでたい名前よ~ 『ひさし』って読むの。なかなかこんな良い名前無いわよ」 さすがに、夫も私も頭の上がらない姑にもの申した。 このまま『亀』なんて名前にされたら、あだ名はまんま『カメ』決定だし イジメの種になる恐れもあるし、名が体を表したりしたら尚更困る。 因みに当初お腹の出かたが女の子だからと早合点した姑。 女の子でも11画の一字名前にしようと考え もし生まれたのが男の子でなく、女の子だったら 梅 『うめ』であった。 お婆ちゃんみたいな名前だから、せめて『子』を付けて欲しいと内心。 挙句、男女の分かる頃になるまで待てば良いのに 京都の高島屋に行って、お宮参りの着物まで買い込んだ。 「女の子だったら名前とピッタリね♪」 くらいの思いつきで買ったとしか思えない。 お宮参りの着物は白地に大きな紅と橙色の梅が美しく描かれたものだったが 結局、二人目も男の子だったので使われる事無く最終的に親戚に渡ったか質屋行き。 結局、男でも女でも名前においては 夫と私に与えられなかった決定権、 で、最終的に決めたのは・・・ 鶴 岡 八 幡 宮 姑の大好きな神だった。 「氏神様に名前を決めて頂く」ことにしたのだけれど 『亀』は見事に却下された。 夫と私が胸を撫で下ろしたのは言うまでもない。 ● ● ● ● ● ● ● ● ● で、長男に名付けられた名前は~ 残念ながら明かせないのだけれど、 これがまた今長男自らが進んでやっている事、 これまでにやっていたことそのものを表す名前だった。 もしかして、名前に導かれているのではないかとも考えた。 はたして鶴岡八幡宮の神は、そこまで見越して長男に 漢字一字でコレだけ深い意味のある名前を選んでくれたのか 詳しい事は分からない。 おかげで長男の人生計画は予定より出遅れている様にも思えるのだけれど、 着実に力を蓄えつつ、近い未来にに己の夢を現実に変えてくれると信じて疑わない母である。 長男は言う。 「もし俺の人生が亀だったとしても俺は最強の亀になるから! そう、ガメラみたいになって 優秀なウサギに先を越されても追い抜いてやるよ」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年03月11日 14時17分28秒
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