秩父観音霊場第11番常楽寺
大慈寺から第11番南石山常楽寺までは徒歩25分ほどである。国道299号に戻って少し秩父駅方面に歩くと右側に寺への入り口がある。常楽寺は以前は本堂のほか観音堂、仁王門、庫裏を備えた寺であったが明治11年に火災で焼失した。本尊は十一面観音である。昔門海上人が仁王門建立を志したが半ばにして病に倒れ志が達せられないのを憂い、本尊に祈願したところ枕頭に老僧が金剛神を伴って現れ、金剛神に引き起こされる夢を見た。目覚めてみると病は癒えて、志を達することができたと寺の縁起に言う。その仁王門はここからかなり離れた西武沿線の少林寺の辺りにあったというから相当に広大な寺域を有していたらしい。今は見る影もない。明治初年まで天台宗であったが今は曹洞宗の寺である。暑さでボケて写真を取り忘れたので秩父駅へ行く途中の秩父名物蕎麦屋の写真を見ていただく。「ここの田舎そばは(中略)噛むほどに香りと、口の中に不思議な辺りの良さを感じる。(中略)やや甘さを抑えた汁につけ一気に食べると喜びと感動でことばが詰まる。」と杉浦日向子が書いている「こいけ」である。この日は定休であった。秩父の蕎麦屋