精神障碍者グループホームでの冬のある日、Yさんが「網戸が動かないので動くようにしてほしい」と希望があり、デイケアへ行っている間に動かしてみるということで約束しました。
Yさんの担当職員と一緒に入室し、窓のさんを少し掃除しkure556で動きがスムーズになるようセットしました。
Yさんが帰館すると「あったはずのスリッパがない」と訴えがありました。
私物には一切触っていなかったので、スリッパは触っていないことをお伝えしましたが納得せず。
身元保証人の兄に電話してほしいとのこと。
事務所に行き電話をしましょうと話すと後ろから付いて来ながら「どろぼーどろぼー」とずっと言われていました。
お兄さんに電話し、受話器を渡し「どうぞ」とYさんに渡すと「違う、説明して」と怒っています。
お兄さんに職員の私から説明し、本日部屋に入り網戸を直したこととスリッパがないとYさんが訴えていることを伝えました。
お兄さんは「いや、すみません。探して無かったら買っていくと伝えてください」と話されておりそれをYさんに伝えました。
その場では特に訴え無く電話は終わったのですが、電話を切ると「警察に行く」とのこと。
「わかりました、一緒に行きましょう」と私は上着を手に玄関に向かうと、途端に「明日デイケアがあるからいけません」と焦っている様子に変化しました。
「じゃぁ行かなくていいんですね?」と確認すると「はい...」と歯切れ悪く部屋に戻っていかれました。
その後、宿直者が外を夜間の巡回するとYさんの窓の下にスリッパが落ちていたそうです。
そのスリッパは回収しました。
翌朝見たら無くなっていることに気づくでしょうと思っていましたが、全く申し出はありませんでした。
何かデイケアで嫌なことがあったのかもしれませんし、職員に訴えたかったのかもしれません。
困らせたかったのかな?警察に行くことになりそうで想定外だったのかな?
その後のYさんは平常通りで翌朝も普通にデイケアへ出発しました。
主治医には報告済みですが何があったのかは不明でした。
お兄さんにも改めて電話連絡しましたが、他のグループホームでもクレームのようなことをいうと職員が話をしましょうと優しくしてくれたりしたので期待したのかもしれないとのことでした。
訴えることや感情を言葉にすることが難しいYさんでしたので、なるべく話しやすいように対応しましょうということで終わった事件でした。
警察に行かなくて済んだYさんの安堵の表情が忘れられません。