カテゴリ:私のつぶやき
話題としての「お月見」というのはあるけれど、
本当にお月見する人は、少ないのではないのかなあと漠然と思う。 かくいう私も、知識として十五夜は知っているし、 中秋の名月の望月を、ベランダから眺めるくらいの行動は取る。 家人を呼び、しばし眺めたりもする。 子どもの頃、父の望遠鏡で眺めたこともある。 しかし、月への親近感を何故かしら抱かない。 というか、抱けない雰囲気がある。ある種の畏れを感じるのだ。 あまりに大きく中空にあり、冷たく放たれる月の光。 ぼおっと雲の中から顔を出し、かすみつつも、その姿を見せる。 インドの輪廻転生では、火葬された人の魂は、 煙とともに遠く月の世界へ行くと聞いた。月世界は黄泉の国だ。 解脱なき限り、現世とあの世をぐるぐる回る。 前世の因縁を引きずり、迷えるこの現世(うつつよ)を彷徨う。 月は、それを意識化の奥深くに教え諭すかのように、 常に中空高くあり、鈍き冷たい光を放っているように見える。 どのような権力者であれ、 永劫、月のした、太陽のしたから逃れることはできない。 げにおそろしき。 記:とらのこども お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.09.14 16:15:25
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