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2024年09月20日
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カテゴリ:おすすめ映画

【事件の真実を求めて】

 1980年。僕は、大学3年生でした。前年大統領が暗殺され、戒厳令が敷かれていた韓国は揺れていました。その中、いきなりテレビに映し出された映像はショッキングでした。光州市内の騒乱の状況でしたが、戒厳令下で行われた軍と市民との衝突模様でした。

 「軍隊は国家を守るが、国民は守らない」と学んできた僕は、この事件を通して、それを実感しました。

 やがて、新聞でも報道されましたが、市民の被害は些細な状況で、いつのまにかマスコミからも情報が消えていきました。

 この作品は、マスコミから消された情報の中で、戒厳令下で市民の視線から、現実に現れた軍隊の蛮行実態を明らかにしたものです。静かな生活から恐怖社会へ移行する場面が映し出され、軍部の暴力と発砲へと続く残虐シーンには息が詰まりました。やがてクライマックスでは、「僕たちは暴徒ではない」と語るシーンでは、光州事件の真実が語られているような感じがします。

 北朝鮮やそのシンパによる策動なのか、市民の抗議行動だったのか、事件の真相は一般的には解明できていない点も多いようです。しかし、米ソや北朝鮮との緊張強化、世界的な保守回帰への動きが強かった80年前後、軍部の対立により大統領が暗殺された韓国では、国家を守るために、軍部は市民の動揺を武力によって制圧していくことしかなかった状況だったのかと感じざるをえない内容でした。市民の間でも、対応については様々だったようですが、現代パリ・コミューンを見るような感じです。

光州事件を知らない世代には、映画を通して政治に関心を持ってほしいと思いますし、団塊世代には、若かりし日の日本を想起しながら、あらためて今の政治を考えてほしいと感じた映画です。


光州5・18(予告編)​ 






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最終更新日  2024年09月20日 10時31分01秒
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