ラストエンペラー
【ジョン・ローンと最後の皇帝】この映画は、凄い。監督のベルトルッチが、溥儀の自伝「わが半生」に感銘して映画化。当時の中国は、政治がらみの映画のロケは了承していないはずですから、中国でロケをしたのも話題となりました。 主演のジョン・ローンの好演が映えていますね。それに名優ピーター・オトゥールが家庭教師役、音楽を担当した坂本龍一が甘粕正彦役を演じていますが、すごく豪華な映画だと思います。 中国との交流活動を長くしていますが、戦前から文革が終わるまでの溥儀の生き様は一般的にはタブーとされていました。なぜなら溥儀には、中国の最後の皇帝という面もありますが、社会主義国中国では反動的側面もありましたから、描けないというのが実態ではなかったのではないでしょうか。 しかし、この作品以降中国の歴史が語られ始めたような感じがします。最後の皇帝は、中国5,000年の歴史ともいえますが、その役を凛とした姿勢で演じたジョン・ローンも凄い俳優だと感じます。 ちなみに、同時期に中国・香港合作で「火龍」という溥儀の一生を描いた映画が公開されましたが、これは中国の対抗心を象徴するものかもしれません。 ラストエンペラー(予告編)