おもいで映画館
【シンドラーのリスト】ナチスによるユダヤ人迫害の衝撃的な物語,ユダヤ人の迫害を、これほど赤裸々に描いた映像があっただろうか。 僕は、封切りと同時に映画を見に行きました。人権教育活動をやっていることから、これは見逃せないと思ったからです。感想は、予想以上の映像に驚いてしまいました。 ユダヤ人の迫害というと、アウシュビッツ収容所に収斂されてしまうのですが、そのユダヤ人の救出のために全資産を投じたシンドラーには、敬服させられます。歴史的には、一定の知識がないと、単に戦争中におこった虐殺事件という印象しか持つことができないと思いますから、予備知識が必要かもしれませんね。さて、映画の印象です。映像は白黒版となっていますが、特定の女の子に赤色の着色がされて、観客の注意を引きます。その後、この子が死体焼却場で目撃されるのはショックで、涙を誘います。 ドイツからの解放の日、ロシア兵に向かって「我々はどこに行けばいいか」と問うシーンがあるのですが、これは紀元前来国土を持たなかった放浪の民族ユダヤ人の歴史を語ったような感じを受けました。ラスト・シーンは、劇中の俳優と生存されている方々が共に、シンドラーの墓に順次石を置いていくのですが、これはとても感動的でした。しかしこれが、なぜ石だったのかは、理解に苦しむところです。シンドラーを演じたリーアム・ニーソンは、この映画によってスターとなりましたが、脇を固めた名優で映画「ガンジー」で主演を演じたベン・キングズレーや、監督料を返上してまでも製作したスピルバーグの熱意が、アカデミー賞の受賞に導いたのでしょう。 歴史の検証として、見ておきたい映画です。