残り火を見つめて
彼と会わなくなって、はや二ヶ月が過ぎました彼とのことは、遠い昔のことのような気さえしますもっとはやく、会わなくすればよかったと思うそう思うことも、そうすれば心穏やかに過ごせることも、わかっていましたでも、傷つくことがわかっていて彼と会わない道を、私はあえて選ばなかったのです心の整理がつかないまま、週に二度は顔を合わしていましたさりげない会話をと思うほど、ぎこちないピリピリしたものを、お互い感じ取っていたのでしょう意識すればするほど、平常心ではなくなってなぜこうまでして、彼に会いたいのでしょうか彼も、遠ざかることをせず、私の射程内に居ました傷つけ合うことの出来る、射程内に・・すっぱり切るのを躊躇っていた理由は彼に未練があるということではなく、「恋する自分」に未練があったから彼のこと、考えている自分が好き悲しんで、涙を落とす自分が愛おしい恋に一生懸命な自分を、かわいいと思う終わってしまった恋の残り火を、ずっと見つめていたかった火が完全に消えるまで、いいえ、温もりがまだあるうちは私が彼に恋をしたっていう事実が、残っているうちは・・初めからこうなるの、わかっていてそれでも、大切に大切に育てた恋の炎最後まで、見届けたかったのですまったく消えてしまうまで見続けることはさらに自分を傷つけることと、知ってはいたんだけど・・・ね彼もまた、今、何を思うのでしょうか・・