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カテゴリ:畠中恵
女好きの悪友が念者のふりをしろと言いだした!? 嫁入り前の娘にできた子供の父親は一体誰なのか。 玄関で揉めごとの裁定をする町名主の息子として生まれた麻之助。 これが、たいそうなお気楽もので、周囲は気がもめるのだが。 ふうわり胸が温まる畠中恵ワールド新シリーズ。 (「BOOK」データベースより) 『名主』というのは、奉行所に持ち込むほどではない町内の揉め事 (今でいうと民事でしょうか)を調停する役割を持つ人のことだそうです。 主人公・麻之助は名主の息子で、勤勉で生真面目な評判のよい若者だったが なぜか16歳を境に大層『お気楽な若者』に変わってしまった。 最初の数ページで、麻之助が変わってしまった理由に見当がついてしまったので、 その『お気楽』さにも、ちょっと切ないものを感じたりもしたんだけれど、 どうやら本人は『お気楽な若者』でいることを楽しんでるみたいで。 世間から見れば、いわゆる『放蕩息子』というやつでしょうか。 とはいっても、誰かにひどく迷惑をかけるというわけではなく、悪さといえば 近所の家の柿の実をくすねるとか、子供レベルのかわいいものですけどね。 幼馴染から『頓痴気な野郎』(笑)というお墨付きをいただいている麻之助ですが、 何か問題が持ちあがったときには、なかなか頭の切れるところを見せてくれますし、 揉め事の調停をする時にも、いい感じの力の抜け具合で事を丸く収めてしまいます。 ゆるーい感じの心地よさの中に、少しだけ切なさが混じっている。 という感じの、畠中さんならではの作風がこの作品にも滲みでていました。 ちょっとばかり残念に思ったのが、主要な人物であるはずの麻之助の 幼馴染の一人・吉五郎の存在感が薄いかなー、と感じてしまったことです。 まあ、出番が少なかったせいもあると思いますが…。 この作品はシリーズ化されるようなので、これから先それぞれのキャラクターの 存在がだんだんと確立されてくるのではないかと。 基本的な設定も気に入ったので、続きが楽しみです♪ 畠中さんの時代もの、やっぱり好きだなー(*^-^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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