|
カテゴリ:アンソロジー
今や国民的な漫画となって久しい『こちら葛飾区亀有公園派出所』と、 日本推理作家協会を代表する七人の作家の小説世界が融合した、 前代未聞、 空前絶後のコラボレーション!(ジャンプ ジェイブックスより) 私の家は昔、中華料理店をやっていて、お客さん用に『ジャンプ』と『チャンピオン』 をお店に置いていたので、毎週タダで読み放題!(笑) だから物心ついた時から『こち亀』読んでました。兄が単行本を集めていたので、 ほんとにもう、何度も何度も読みました。私の実家には今でも、知る人ぞ知る、 秋本治さんの初期のペンネーム『山止たつひこ』名義の『こち亀』があったりします。 ここ数年はめっきり読む機会が減ってしまいましたが、かかり付けの歯医者さんに 『こち亀』が置いてあるので、待ち時間にがーっと読んでます。 実は前々からこの『小説こちら葛飾区亀有公園前派出所』という作品の存在は知っていた のですが、てっきり漫画の『こち亀』を小説化したものだと思い込んでいたんです。 でも先日、ホンヤガヤマダさんのレビューを拝見して、魅力的な作家の方々が、 それぞれ『こち亀』をモチーフに、オリジナルの作品を書いていると知りまして。 「これは読まずにいられないでしょ!」と速攻で図書館に予約しました。 第一話 幼な馴染み/作:大沢在昌 『新宿鮫』の鮫島さんが登場。恋人の晶と鑑識の藪と3人で浅草に出かけたところ、 藪さんの幼馴染である両さんと遭遇してしまうという話。 第二話 池袋⇔亀有エクスプレス/作:石田衣良 『IWGP』のマコトが登場。両さんが警察学校の同期だった池袋署の吉岡に紹介 されたマコトに人探しを頼む話。『IWGP』ワールドならではという感じで、 「あんたは両津勘吉を知ってるかい?」というマコトの言葉で物語が始まります。 第三話 キング・タイガー/作:今野敏 退官後、子供の頃夢中になったプラモデル作りにはまっていく堅物の元警察官の話。 両さんはちらっとしかでませんが、マニアックなほどのプラモデルに関する描写が まさに『こち亀』という感じ。心温まるラストもいいです。 第四話 一杯の賭け蕎麦 -花咲慎一郎、両津勘吉に遭遇す-/作:柴田よしき 保育園の園長で探偵の『花ちゃん』こと花咲慎一郎さんが登場。なんの因果か、 両さんと「特製激辛蕎麦」の早食い対決をすることになってしまった花ちゃんの話。 とっても不憫でした・・・(笑)麗子と中川も登場します。 第五話 ぬらりひょんの褌/作:京極夏彦 かの有名な『京極堂の店主』の老後の姿と思われる人物も登場。大原部長が 大学時代に住んでいた中野のぼろアパートで遭遇した「ぬらりひょん」の謎に 迫るミステリ風の話。オチがメチャメチャ『こち亀』っぽくて大笑いでした。 第六話 決闘、二対三!の巻/作:逢坂剛 『御茶ノ水警察署シリーズ』の面々と、研修でやってきた両さん&麗子とが 「拳銃摘発対決」をするという話。『御茶ノ水警察署シリーズ』は未読でしたが、 十分楽しめました。近々本編も読んでみたいです♪ 最終話 目指せ乱歩賞!/作:東野圭吾 賞金と印税目宛てで、両さんが「乱歩賞」を狙うという話。両手両足でパソコン 4台を同時に操っちゃう辺り、もう両さん全開って感じ!(笑) このまま漫画の原作になっちゃいそうなくらい、完全にこち亀ワールドでした。 どの作品もそれぞれの作家さんの思い入れが溢れていて、両さんが活き活きと 描かれていて本当に面白かった!本当に贅沢なアンソロジーです♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アンソロジー] カテゴリの最新記事
|