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カテゴリ:長嶋 有
「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。 小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、 恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。 現実に立ち向う母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、 大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに 綴った文学界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。 【目次】サイドカーに犬/猛スピードで母は (「BOOK」データベースより) 最近、長嶋有さん独特のゆるゆるな「脱力系ワールド」に すっかりはまってしまっています。 この作品は長嶋さんのデビュー作だそうなんですが 『ジャージの2人』や『夕子ちゃんの近道』のような 「終始ゆるみっぱなし」という感じはありません。 でも、「起承転結」をあまり意識していない展開は 近年の作品の原点となっているような気がします。 「サイドカーに犬」「猛スピードで母は」の2作は いずれも子供の視点で描かれています。 両作品とも、主人公はけっこうハードな家庭環境に 置かれているにも関わらず、すごく淡々としています。 ヘタしたら、悲惨な話になっても不思議ではない 設定なのに、なんともいえない不思議なムードが あって、ちょっと切ないんだけれどほんのりと 温かさを感じるような作品となっています。 どことなく、瀬尾まいこさんに通じるものを感じました。 「サイドカーに犬」は、竹内結子さん主演で映画化 されているようで、それもちょっと見てみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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