こどものころの話。
昔は巷に詩というものがあふれていた。教科書にも載っていた。でも、おいらには詩の世界はナイーブすぎた。含みが多すぎた。だからといって、小説の方が好きだったというわけでもない。読んでいたのは星新一ぐらいだったから。高校ぐらいから、1000文字小説を書き出した。大学2年ぐらいまでかなりの数書いた気がする。ある日、ものにならないと思ったのですべて焼き捨ててしまった。昔付き合ってた男が言ってた。「俺は小学校の教科書やノートも みんな捨てずにとってある」と。でも、とってあるのは田舎の両親の家にでしょ。とっておいたのはあなたのお母さんでしょ。おいらは、「歴史なんかいらない。 昔なんか振り返らないから。 今この棲家にあるものが 財産のすべて。 身一つで生きていくの」そう言ったけど多分、会話は平行線のままもとより交わることはなかったんだろう、最初から。で、おいらの身体は今、何でできてる?小説?散文?それともやっぱり詩なんだろうか。ほんとは、詩はあまり好きじゃないんだけど…。