告発のゆくえ。
J・フォスター演じるはすっぱな女性は、明らかに酒場の男たちを挑発する振る舞いをした。しかし、女性の告発は法廷での勝利を勝ち取った。確か、ジョディはこの映画でアカデミー賞主演女優賞を獲得した、ような気がする。当時アメリカでは「どのような場合であれ、 犯罪を認めてはならない」このことを見事に描きあげたとして映画が賞賛を持って迎えられたような気がする。そして、その評判もあって日本でも大々的に公開され、日本人たちはこぞってこの映画をすばらしいと批評していた、ような気がする。J・フォスターも40代になった。映画が公開されておよそ20年になるような気がする。そして今の日本。米兵による女性暴行事件を被害者に自己責任意識が欠如していたという意見が多いらしい。日本文化がこの20年で退化したわけではない。レイプを現実問題として認識し犯罪を憎む土壌が日本で、本土で、醸成されてなどいなかったのだ。かつてアメリカの映画を礼賛しておいて、昨今のアメリカ兵によるレイプを被害者の責任だ、という。少なくとも犯罪を犯す者もいるが、それを糾弾しつくせる者もいる。なんだ、アメリカのがマシなのかよ。