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カテゴリ:読書
あまりにも面白すぎて、途中でVSが始まったのだけれど、それよりこちらの方を優先してしまった。
上下巻読み終えるのに4時間半。その間完全に作品の世界にのめり込んでいた。 この引きの強さは先日読んだ有川浩の「海の底」に似ている。でも、有川さんのそれがストーリーと描写力と圧倒的な情報量に裏打ちされた緻密な設定で引きずりこむ面白さを持っている反面、登場人物の行動原理や言動がアニメチックで類型的なマニア臭さを醸し出しているのに比べ、こちらは人物造形が見事だった。ことに蓮見という最後まで冷静沈着なサイコ・キラーの描出には戦慄を覚えた。 こんなにも無残に人が殺されていく小説を読んだのは初めてかも。 最後まで生徒を救おうとした園田先生に涙。 しかし、ここまで見事に感情のない殺人鬼を主人公にして、ここまで面白い小説に仕上げるとは。 読後感が最悪にならずにすんだのは、とりあえず生徒三人が生き残ったからだけれども。 ほんのわずかな描写で生徒たちの人となりを印象付け、感情移入を誘う筆力も圧倒的。みんな可哀そうすぎる…。という、極めて安直な感想しか出てこないですわ。 小説だと分かっていても、最後蓮見の死刑を痛切に願ってしまった。作者の術中に完全に落ちた4時間半でした。 さて、この面白いけど陰鬱な読後感を洗い流すためにVS嵐を今から見よう! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/02/17 08:35:07 PM
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