群馬交響楽団 上田定期演奏会2024夏
開催日:2024.7.28(日) 15:00開演場所 :上田市交流文化芸術センター サントミューゼ大ホール(1,650名収容)第600回群響定期演奏会プログラム 群馬交響楽団 上田定期演奏会2024夏に行ってきました。プログラム前半モーツァルト6つのドイツ舞曲 K.600第1番 ハ長調第2番 ヘ長調第3番 変ロ長調第4番 変ホ長調第5番 ト長調第6番 ニ長調コルンゴルトヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35第1楽章 モデラート・ノビレ第2楽章 ロマンス:アンダンテ第3楽章 フィナーレ:アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェソリストアンコールバッハ無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番後半R.シュトラウス家庭交響曲 作品53,TrV209レポート6つのドイツ舞曲 K.600どこか宮廷の香りのする音楽を聴いて、ふと過去のアナリーゼワークショップで学んだ「バッハは神様へ捧げる音楽を作った。モーツァルトは貴族へ捧げる音楽を作った。ベートーヴェンは庶民のために音楽を作った。」ということをことを想い出した次第ですが、この楽曲全体は12分の尺ながら6つに分かれているため、1つ1つの曲がより明確な形で耳に入ってくる感触がありました。ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35ソリストのマルク・ブシュコフ氏を迎えてのコンチェルトになりましたが、ブシュコフ氏の奏でるヴァイオリンは音がよく立っていてオーケストラをバックにしても音が埋もれることが無いパワフルさがあり、加えてフラジオレットがとても美しく、そのコントロールにおいても卓越したものがあると感じました。そしてコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は初めて聴いたのですが、映画音楽を彷彿させるものがあり、これはアドベンチャーミュージックだなと感じました。そしてジョン・ウィリアムズばりのカッコいいホルンがとても印象的で、とてもわくわくしたひとときになりました。無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番ソリストアンコールは、無伴奏曲となりましたが、聴衆がブシュコフ氏の奏でる音楽を少しでも聞き漏らすまいという集中力がひしひしと感じられる空気感があり、このようなステキな空間にいられたことを感謝しつつ楽しませていただきました。家庭交響曲 作品53,TrV209この楽曲では、編成が100名越え?というくらい大ホールの舞台いっぱいにイスが並べられ奏者がぎっしりとなりました。そういえばこのところ郡馬交響楽団の上田定期演奏会の後半はこういった超大編成の曲になっていることを想い出しました。楽器編成は、ピッコロ、フルート3、オーボエ2、イングリッシュホルン、オーボエダモーレ、クラリネット3、小クラリネット、バスクラリネット、ファゴット4、コントラファゴット、サクソフォン4(ソプラノ、アルト、バリトン、バス)、ホルン8、トランペット4、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、グロッケン、シンバル、タンブリン、大太鼓、トランアングル、ハープ2、弦楽器5部とのことで、吹奏楽でもほとんど使われないバスサックスが加わるなど、そのサウンド感は、強奏部で吹奏楽の音圧に匹敵するものがあると感じました。楽曲は、リヒャルト・シュトラウス一家の日常を描いたもので、子守歌あり、夫婦喧嘩ありとじつにリアリティーを感じるものでした。そしてシュトラウスの妻と言えば、感情の起伏が激しかったパウリーネにシュトラウス自身も手を焼いていたことで知られていますが、なんだかんだ言っても惚れた弱み…愛おしく思っていたからこそこのような大曲が出来上がったのだろうと感じました。まとめアンコールは行わないのが、群馬交響楽団の公演スタイルとなっていますが、終演後に常任指揮者の飯森範親氏より、歴史的に上田と郡馬交響楽団の本拠地高崎は強い縁があり、今後はそれをさらに強固なものにしてゆきたいというメッセージが発信されました。もともと長野県の東信地域は、群馬県東部とは結び付きが強く、その中心都市である高崎も同様ですが、文化芸術の分野でも上田のサントミューゼを郡馬交響楽団の第二本拠地のように考えていただけているということを感じました。余談ながら、今回群響の楽器を運ぶトラックが新調されたとのことで、そちらもありがたく拝見させていただきました。