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カテゴリ:陸上
 間もなくドーハでアジア大会が始まる。この記事が掲載されるころには、もう始まっているかもしれない。
 確か16年前のアジア大会のとき、走る仲間で作っている機関誌に記事を書いた。今ちょっとやそっと探したくらいでは見つからないが、内容そのものはよく覚えている。

 その時、胸がいっぱいになって、もう荒木が勝っても負けても、どうでもいいと思った。

 その記事はそう始まっていた。ソウルオリンピック5位のチョー・ユーホーを中心に2時間30分のペースでレースが進んでいるのに、確かタイの選手が最初に遅れてしまったほかは、韓国や北朝鮮の選手もきっちり集団に着いている。
 それを見たとき、アジアの女性の地位は確実に向上していると思った。女性がスポーツをすることに対する社会全体の理解がなければ、こんなスピードで走れるようにはならない。
 また、男子では当時調子を崩していた泉選手に先着した選手が何人かいた。経済的にもけっして余裕があるわけではなく、練習環境もけっして恵まれているわけではない。それを、ここまで力をつけてきたことに頭が下がる。
 アジアの国々がひとつになって、力を伸ばしていくことができれば、どんなにすばらしいだろうか。
 ぼくはあと3年で、マスターズへの参加資格が得られる。そのときには、もう若くないぼくたちも自分たちなりに、アジアの仲間と競い合いたい。アジアマスターズがますます楽しみになってきた。

 ほぼそういう趣旨の文だった。
 あれから12年、2002年の大連大会では、5000メートル競歩で地元中国の選手に次いで2位に入ることができた。ことばはわからないが、指を1本立てて相手に向け、次に2本立てて自分の鼻を指して合図すれば、もうそれだけで十分だった。こうして握手をかわしたときの中国選手の表情が今でも忘れられない。この選手とかわした握手があるかぎり、今後日本と中国との間にどのような事態が生じても、中国を嫌いになることは絶対にない。
 このとき、40代でメダルを取った日本選手はわずか数人しかいなかった。年齢が高くなるほど日本選手のメダル獲得数が多くなる。それは裏を返せば、日本の経済力に余裕があるからであり、その力に物を言わせて日本ばかりがメダルを持ち帰るのは、本当はあまり喜ばしいことではないとも言える。
 とはいえ、競歩だけにかぎっても、60代以上は日本の独壇場だった。98年の沖縄大会、2000年のバンガロール大会(インド)でも、2004年のバンコク大会でも、日本選手が出場すれば、必ず金を取って帰ってきた。
 そして、今年2006年、バンガロール改めベンガルル大会。
 M65、M70、M75、M80にひとりずつ選手を送り、M65はともかく、M75とM80は金メダル確実、M70も有望と思われていた。
 ところが、蓋を開けてみると、金メダルはM70のただ1個。M75は途中、見事なフォームで先頭に立ち、そのまま逃げ切るかに見えたが、つかまって結局は3位。M80も36分4秒のアジア新記録を出しながら、最後の100メートルでインド選手のスプリントに屈した。
 これを日本の凋落とみるのはたやすいが、経済力をつけてきたインドの躍進にむしろ拍手を送りたい。一部の高齢者の生活に余裕が出てきたからといって、それが即、インド10億の民の生活改善につながるわけではないが、少しは希望が見えてきたような気がする。
 6年前はサリーで練習をしている女性もいた。裸足の選手も多かった。それが今回はぐんと少なくなっていた。競技の進行も、遅れがないわけではないが、以前よりはるかによくなっている。
 アジアの国々がともに手を取り合って、未来に向かって進んでいく。それこそがアジア大会の本来の目的ではないか。

 日本のメダルが減ったのは、考えようによってはいいことなのかもしれない。


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最終更新日  2006年12月03日 18時59分04秒
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