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トライス：「15度目の正直」といったところかな？

レム：なんだ？トライスがやっと大学に合格したのか？

ぷっつり。

数希：・・・まあ、着るよね・・・ライン通話を。

トライス：15浪もするかい！もう、とっくに大学は出ているわっ！

【・・・トライス、浪人自体は否定しない？】

レム：・・・じゃあ、いったい何なんだ？書き初めでもして、15回目にやっと満足のいく字が書けたのか？

トライス：それもないかな。一般に、1月2日に書くっていわれているけど、その日に初詣に行っていたのは、レムだって知っているだろ？

レム：そういえば、そうだったな。・・・じゃあ、なんだ？

数希：アメリカの連邦議会の、下院議長選挙のお話のことだよね。

千里：そうですね。まずは、1月3日のお話ですね。アメリカ時間で3日になりますが、連邦議会の下院議長選挙が行われました。下院の定員は435人で、有効投票の過半数である218票以上の票の獲得が議長の選出される条件となっておりましたが、1回目の投票結果では共和党内で造反が出たことにより、いずれの候補も過半数を獲得することができず、再投票を実施することになりました。再投票の実施は、9回目の投票で決着した1923年以来で、実に100年ぶりの出来事となります。そして、次に本日1月7日のお話となります。アメリカ時間で本日7日に15度目の投票が行われ、共和党下院トップのケビン・マッカーシー院内総務が（棄権に伴う有効投票の過半数の215票を超える）216票を獲得し、議長に選出されました。なお、10回以上の投票で決着したのは、1859年に44回目の投票で決着して以来で、164年ぶりの出来事となります。なお、1回目と15回目の投票結果はそれぞれ次の通りとなりました。

【アメリカ連邦議会・下院議長選挙（1回目）】：過半数は218票

民主党　ハキーム・ジェフリーズ院内総務　212票

共和党　ケビン・マッカーシー院内総務　　203票

共和党　アンディ・ビッグズ氏　　　　　　　10票

その他　　　　　　　　　　　　　　　　　　9票

【アメリカ連邦議会・下院議長選挙（15回目）】：過半数は215票

共和党　ケビン・マッカーシー院内総務　　216票

民主党　ハキーム・ジェフリーズ院内総務　212票

白　票　　　　　　　　　　　　　　　　　　6票

レム：あれ？1回目の場合、全部足しても434票にしかならないぞ？

数希：それは、欠員が1だけ出ているせいだね。

レム：そうなのか・・・。あれ、アメリカの政党って2大政党制でなかったか？それに、造反が出たって言っていたけど、何で決まらなかったんだ？

数希：確かにそうだよね。実際には、小さい政党もあったりはするけど、基本的には2大政党制だよね。じゃあ、いくつか補足しようかな。まずは、アメリカの下院議員について。任期は2年で、下院の定数である435議席のすべてが改選されるんだ。そして、直近の選挙は、2022年11月8日に中間選挙（4年に1度に行われる（任期が4年の）大統領選挙が行われない年の選挙のこと）の投開票が行われたわけだけど、そのときの選挙結果は、野党の共和党が222議席に対して、与党の民主党が212議席、そして欠員が1議席だったんだよね。そして、さっき千里も言っていたけど、過半数は218議席だから、これ以上の票を得た候補者が出れば、本来ならすんなり選出されたはずだったんだよね。

トライス：でも、本来多数派であるはずの共和党内で、マッカーシー院内総務に投票したくないという議員がいて、造反しちゃったんだよね。これは、日本の政党のような党議拘束がないため、とも言われているけどね。

レム：でも、なんで造反なんてしたんだ？

トライス：今回の選挙も関係していたのかな。マッカーシー院内総務はトランプ前大統領と距離を置いていたこともあって、トランプ前大統領の支持者というか、保守強硬派といわれる人たちがマッカーシー院内総務に対して反発していたんだよね。そういったいきさつもあって、マッカーシー院内総務は下院議長を解任する動議案の提出要件を緩和させるなど、造反議員に配慮したことで何とか決着したんだ。

レム：でも、何でここまで躍起になっているんだろうな？

数希：それは、今回選出された下院議長の地位にあるかもしれないよね。アメリカでは、大統領が死亡するなどで職務が遂行できなくなった場合の権限の継承順位が、副大統領に続く第2位ってことがあるのかもしれないよね。

トライス：まあ、まずそこまで行くことはないだろうけどね・・・。とはいえ、下院議長が選出されたことで、やっと下院の議会も開かれることになるから、やっと議事も進められるようになるわけだけどね。

【・・・とはいえ、上院（定員は100人・任期6年：民主党51議席／共和党49議席）と下院では多数派が違うことによるねじれ状態にあるので、そこはこれからが見ものになりそうですね。】