今年の神田古本祭り(その4)
今年の神田古本祭り(その4) 自慢するつもりはないが(こういうときは、実は自慢している)、おいらが昔、上梓した単行本(ただし、ビジネス書)が古本として売られていることがある。 この某書は専門書に近い性格のものだが、天下の講談社から5刷まで出版された。今から16年前のことである。 だから、この本をブックオフの100円コーナーで見付けることがある。 そのときは、どうするか。 無論、買っちゃうのである。だって、ブックオフでは可哀想ではないか。 閑話休題。 神田古本祭りは続いている。 米国製の「All About The Small Red Hen」(1917年、CUPPLES & LEON COMPANY, New York)をゲット。小振りな本であるが、なかなか良く出来ている。子供向けとは思えないブラックユーモアがあるのぅ。 「The Art of Tantora」(1973年、Thames and Hudson, London)もゲット。タントラとはサンスクリットで織物を意味し、曼荼羅のようにも見える。 このタントラ、密教には欠かせないものである。ところが、タントラを仔細に眺めると、昔の宗教はセックスと不即不離だったことが良く分かるのである(内容をお見せできないのが残念)。 「作詩自在」(明治30年、博文館)もゲット。 漢詩作成の教則本である。この本の見開きには、木版刷りが折り込みとして添付されている(写真下)。これには舌を巻いた。ずっと閉じていたままだったからだろうか、全く色が褪せていない。110年前の刷りには思えない見事な出来栄えである。 さて、これらの古本に共通しているのは、いずれもゆったりとした時間の底流を感じることである。 洋の東西を問わず、100年前の書物を、今、目の前で味わうというのは贅沢である(この項続く)。*************************************謎の不良中年 柚木惇 Presents*************************************