カテゴリ:タイを食べる!
今日の晩メシなに食べよーか?と迷ったときにわが家で安易に出てくるアイディアが「タイスキ」。週に一度はタイスキチェーン店の「MK」に行っている・・・。
タイスキの語源は「タイ風スキヤキ」なんだろうが、日本のすき焼きの面影はない。「タイ風しゃぶしゃぶ」と説明されることもあるが、実態は「水炊き」そのものである。ちなみにタイ人は「タイスキ」とは言わない。「スゥキー」と呼ぶ。食材は肉類(豚、鶏、魚、海鮮など)、野菜(白菜、空芯菜など)、つみれ、豆腐、きのこ、麺類など好きなものから選べるのも日本の鍋モノと同じだ。 偶然なのかどうかは不明だが、わたしの周囲の日本人はなぜか「タイ料理は好きだけど、タイスキは勘弁・・・」という方が多い。ガピをベースにした「ナムヂム(つけだれ)」の酸っぱ辛さが苦手なのか、そこに問答無用でパクチーが入れられているからなのか、理由はわからない。代わりにポン酢なりの自前のナムヂムを持ち込めばよいのだが、それだと単なる「水炊き」になってしまう。ま、それでもいいと思うが・・・。 日本では「鍋奉行」なる役割のひとがグループに必ずひとりはいるであろう。わたしの実父も元気だった頃は鍋のときだけは仕切りまくっていて、誰かが食材を入れる順番をひとつでも間違うと激怒して食卓の団欒を一瞬にして恐怖のドン底に陥れていたものである。会社の忘年会でも周囲がシラけきっているにも関わらず、火加減がどうのとか食べ頃のタイミングがどうのとかウンチクをたれるトホホな同僚がいたものである。 一方タイでは「鍋奉行」に今まで出会ったことがない。タイ人のスゥキーの食べ方は、「運ばれてきた食材はすべて一気に鍋にぶちこむ!」「火加減(実際は電気調理器だから温度調節)は常に最強!」。なので、放っておくとグラグラ煮立ちまくった湯の中で鍋からあふれんばかりの量の食材が踊っている状態となる。それでもタイ人はお構いなしである。後半になってくるとウンセン(春雨)などはデロんデロんに溶けかかっている。 おー、なんてゴーカイな!! ああ・・なんと大雑把な・・・。 あと、タイでよく見かけるのが、ひとりでスゥキー屋に来て寂しく鍋をつついているひとが意外に多いこと。日本ではほとんど見かけない光景だ。 スゥキーといえば前述の「MK」がファストフード店なみに大規模な店舗展開をしており、2~3人で腹いっぱい食べても500バーツ(約1500円)でお釣りが来るという安さも魅力だ。スゥキー以外のサイドメニューもポイント高し!もちろんサイドメニューだけの注文もOKなので、単なるメシ屋としても利用できる。どこにでも店があって色々お手軽なものだから、買い物帰りに晩メシどこで食べる?と迷ったときに「ま、とりあえずMKに入るか~」と安易に選択してしまうのである。 ただ、タイスキはナムヂム(つけだれ)の味覚に終始する点でタイ料理の魅力を充分に堪能できるとは言いがたく、料理が楽しみでいらっしゃる観光客にはあまりお薦めしない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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