カテゴリ:よもやま
前回の『海賊とよばれた男』の話題にて、バンコク「竹亭」さんからのコメントにて他の「百田尚樹」作品のご紹介いただきましたが、その中で気になった以下の本を早速読んでみました。
『「黄金のバンタム」を破った男』 百田尚樹著/PHP文芸文庫 伝説の2階級王者「ファイティング原田」を中心に、戦後のボクシング史を当時の名選手などの人間ドラマや、興行の裏側のハナシも生々しく描いたノンフィクションです。 ボクシングに多少なりとも興味がないと読み進めるのは厳しいかも知れませんが、まだ日本が敗戦の痛手から立ち直り、驚異的な復興を果たす途上にあった日本国民が、日本初の世界王者・白井義男やファイティング原田にどれほど熱狂し、勇気づけられたかが実感できます。 当時は世界チャンピオンは8人しかいなく(1団体8階級)、主要4団体にそれぞれ17階級があって数十人ものチャンピオンが存在する現在とはその価値は比べ物になりません。そんな中で、特に天才型というわけではない原田が、想像を絶する過酷な減量と練習に耐えながら世界の伝説的な強豪を倒し、「世界」を手にしたわけです。 明るい性格、一所懸命に努力する真面目さ、目標に向かうひたむきさ、大言壮語しない謙虚さといった、戦後の日本人が忘れていた古き佳き日本人の美質を備えた原田は、当時の大衆から絶大な人気を集めたそうです。 スポーツはたかがスポーツでなく、国民の「心のエネルギー」と思います。昭和の復興期に身を粉にして働いた世代が、原田に自分自身を投影し、よっしゃあワシも明日から死に物狂いでやるでえ!と勇気づけられたことは想像に難くありません。 現在の日本も実は「第二の敗戦」の時期ではないかとワタシは考えています。経済戦争のね。毎年の自殺者の数なんて昨今の紛争地域の軍事による犠牲者よりはるかに多いはずです。自信をなくした国民に、次は「TPP」という名の進駐軍がやって来ます。こんな時期だからこそ、『海賊とよばれた男』や『「黄金のバンタム」を破った男』を読んで、日本人の魂を呼び覚ましてほしいです。もちろん百田作品でなくてもいいけどね。 ついでなので、昨今の国内スポーツに関しての印象(妄想・・・汗)を語りますと、ワタシの仮説では日本のスポーツは日本の「弱体化」「愚民化」「米国の属国化」のためのマインドコントロールに使われていると考えています。 資源もなく、体力・知力にも劣る日本が世界に対抗するには、組織を核とした団結力と不断の努力しかないハズです。しかし、現代の日本スポーツ界は、その日本の数少ない「強み」を破壊することに寄与しています。 特に野球では、それほどでもない選手でも資本力あるチームに億単位のカネを積まれてカンタンに移籍してしまいます。昔はどのチームも毎年選手の顔ぶれは定着してて、応援するチームへの愛着はすごかったもの。今は勝ち組チームも含めてどのチームのファンも「生え抜き選手」が少ない・・・と嘆きながら興味を失っている始末です。国民には『組織への愛着や団結よりも個人の権利が優先する』という「摺りこみ」が行われているわけですね。年収2億円の選手が5億とか10億もらうために「組合」が選手を守るなんてアホなことに国民は何の疑問も持たないわけですから、マインドコントロールもほぼ完成期に至っているとしか言いようがない・・・。 あとは一流選手はメディアが煽って、米メジャーとか欧州サッカーリーグに行くことこそ「夢」だとキャンペーンを張って、どんどん送り出してしまいます。今は楽天・田中マー君が話題ですが、マー君が日本に残って東北に元気を与え続けてほしいなんて論調は見当たりません。『国内には夢はない、宗主国たる米国のために働くべし』という「植民地根性」を「摺りこみ」してるわけですね。随分なカネが動くようですが、結局それらのカネは国民が「みなさまのNHK」を通して法外な額の放映権料としてアメリカ様に上納しているワケですから、どんだけ日本人って扱いやすい民族やねん!?(涙) 中国の高官が「20年後には日本という国は存在しない」と不気味な予告をしていますが、それは既に現在進行中の危機であることをわれわれは自覚すべきでしょう。 ま・・・本題に戻りますが・・・。 『「黄金のバンタム」を破った男』のような本を読んで、多くのひとが日本人の魂を呼び覚ましてほしいですね。文中で紹介された試合のいくつかは動画サイトで見つかりますので、併せて見ると興味深いです。選手の戦いっぷりや観衆の熱狂など、最近の世界タイトルマッチなど比較にならない熱さです。亀田兄弟の試合など、試合前の煽りと試合後のトラブルは世界レベルですが、肝心の試合内容はしょっぱいものばかり。KO予告してながら第一ラウンドから判定狙いミエミエの失笑モノの試合運び。応援したくてもできませんわね。 残念ながら日本がこれから再び復興するためには、たとえば原田のような「古き佳き日本人」に見習うしかなさそうです。今の若者が原田の生き様や試合内容に触発されるようなら、まだ日本にも可能性は残っているかな・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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