カテゴリ:よもやま
移住前に「一生分の本を買い置きする」と言いながらブックオフの100円均一コーナーで買い漁ったモノの中のひとつ。
なんでコレを買おうと思ったのか動機が定かでないのですが、先週段ボール箱をゴソゴソしててこの本を発掘し、ちょい斜め読みしてみるかと読み始めましたが・・・ 『この世でいちばん大事な「カネ」の話』/西原理恵子著 いやーコレ買っといてよかったわ・・・。 ぱっと見では「おカネ」をテーマにしたエッセイ集かと思いましたが、ほぼ西原さんの自叙伝。「おカネ」を切り口とした自叙伝ってカンジかな。 西原さんは過激なタッチの漫画で人気のある作家さんで、現在は大金持ちさんと交際されてるようですが、その生い立ちは極貧と壮絶な家庭環境の中にあったそうです。 本書は西原さんの「成功物語」ではなく、貧困の「どん底」の恐怖と、そこから這い上がるストーリーが生々しく描かれています。「人が人でなくなるとき」を現実に数え切れないほど見てきた西原さんでしか書けない、まさに「切れば血の出る」文章が全編に満ちています。 さらに自分でカネを稼ぐ「自由」を手に入れられてからも、ギャンブルと投機で莫大な損失を蒙るという破天荒なお話も出てきます。そもそも麻雀のルールも知らないのに麻雀の連載を受けられ、「自ら身銭を切って痛い思いをしないと読者に笑ってもらえない」という壮絶なポリシーで取り組まれたところも驚嘆しますが、そこからギャンブル中毒に陥った自己描写は説得力ありますね。 この本、読むひとは選ぶでしょうね。生まれてこの方「どん底」を経験してないひと、またはそういう危機に直面してない方が読んでもピンと来ないんじゃないだろうか? ふーん、いまどきでもひどい境遇のひとがおるんやねえ・・・程度。 「幸福はおカネでは買えない」というコトバに西原さんは強烈にNOを突きつけていますが、ワタシも数年前に一時的に貧窮したとき、「生きていくのに最低限必要なおカネはキープしておくべき」というのを恐ろしいほど痛感しました。「人が人でなくなるとき」って確かにあるかも知れない。これって実際に経験してみないとワカランもんですね。 自活の道を歩むようになってからも「サラリーマン根性」が抜け切らなかったワタシには、絶好の「叱責の書」となりました。 追記:上記楽天サイトへのリンクでは「理論社」刊となっていますが、出版後この会社は倒産して現在は別の出版社から刊行されているようです。これにより西原さんは二千万円もの印税収入を失いましたが、バトルの末製本済みの在庫本を取り戻したとのこと。いやあ・・・こぼれ話もヘヴィすぎるわ・・・(汗) にほんブログ村 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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