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2008年02月02日
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カテゴリ:日常雑記
 スピ系に分類しようかどうしようか迷ったが、それ程突飛でもない話だと思うので、雑記として書くことにする。

 小学校4年生の頃、私は心の中で馬を二頭飼っていた。
 白馬が、マリアンナ。
 栗毛が、ポリアンナ。
 我ながら「何てコテコテな名前……」と、今となっては苦笑とともに呆れるしかないネーミングセンスだが、当時は今のように古代や中世の日本を舞台にしたファンタジーなんてお目にかかれなかったように記憶している。テレビや漫画での女性名も洋風のお姫様っぽいものが多かったように思うから、仕方がなかったということで。例えば荻原規子さんの勾玉三部作などをこの頃に呼んでいたら、きっと漢字を使った凝った名前を考えたに違いないと思う。
 赤毛のアンが「コーデリア」という名に憧れたのと、多分五十歩百歩なところだろう(と、自己弁護)。

 話が逸れた。
 とにかく私は、二頭の馬を飼っていると想像した。
 彼らは私が呼ぶと、空の彼方から駆けてきて、私の元に降り立つ。そして綺麗な瞳でじっと私を見つめる。耳をぴくぴくさせて、鼻を鳴らし、しっぽを嬉しそうに揺らして。
 日が落ちてからのお遣いや、習い事の帰り道、心細くなると私はいつも、彼女らを呼び出した。そして、走った。彼女達が私のすぐ隣を、一緒に駆けていると想像しながら。そうすると、街灯の少ない暗い夜道も、恐くなくなった。その日にあった嫌なことも、忘れることが出来た。
 ……それをしなくなったのは、一体いつの頃だったのか。今となっては思い出せない。

 先日、rocoさんにお家に来ていただいたとき、そんなこともあったなぁと、二頭のことを懐かしく想い出した。
 翌日の土曜、私は仕事が入っていたので、寝ている家族を残していつも通りに家を出たのだが、ホームで電車待ちをしているとき、ふと二頭を呼んでみたくなった。
 空を仰ぐ。
 点のようだった影が少しずつ大きくなって、やがて優美な肢体を持つ馬が二頭、私のすぐ前の空間に浮かんで止まった。
「久し振りだね」
 心の中で、語りかける。二頭は相変わらず、静かな瞳で私を見返す。ふさふさとしっぽが揺れる。
 すると……私の中から、私のインナーチャイルドが飛び出してきた。
 私のインナーチャイルドは、私が二歳を少し過ぎた頃の姿で現れる。数え年でお祝いした七五三の時の衣装を着て。
 この頃から二年くらい、私の写真には笑った顔で写っているものが殆ど無い。いつも能面のような表情で、こちらを見ている。写真の頃、母は弟を妊娠して3ヶ月ほど。翌年春に出産、新生児育児でおおわらわ……という時期にあたる。きっと、小さな私は、幼いながらに色々と複雑な感情を抱えていたのだろう……と、写真の表情を想い出す度に思う。出がけに駄々をこね、ぶっつり切れた母親に、柱に縛り付けられたこともあった。始終そんなことがあったのではなく、それ一度切りの筈だが……隣家のおばさんが駆け込んできて、必死にとりなそうとするのを振り切って、私の腕を後ろでに縛り上げる母の、般若のような顔と、泣き叫ぶ自分の声を、はっきりと覚えている。
 インナーチャイルドの癒し方を教わってから、この小さな私は大分笑うようになったが……それには随分と時間がかかったものだ。
 その、小さな私であるインチャイが、たたたたたっと子供独特の素早い動きで二頭に近付くと、ひらりとその背にまたがった。
 満面の笑みを湛えて、白馬マリアンナの首にしがみつく。
 マリアンナとポリアンナが、前足を上げていななく。
 私のインチャイは嬉しげに悲鳴を上げ、一層強くマリアンナの首にしがみつき……そして、二頭と小さな私は、あっという間に空の彼方に駆け去って行ってしまった。
半ば呆然としながらそれを見送って……私は心の中で「いってらっしゃい」と呟いた。 彼女はきっと、当時行きたくても行けなかった場所へ、したくても出来なかったことをしに行ったのだろう。
 
 それからふと想い浮かべる度、インチャイと二頭は一緒にいる。様子を見るに、しばらく帰ってきそうにない雰囲気だ。
 インチャイは実に活き活きとした表情で、マリアンナ、ポリアンナの背にのり、風を存分に受けて笑っているのが見える。
 本当に子供らしい屈託のない笑顔に、私はなんだか泣きたくなる。
 
 好きなだけ、気の済むまで、遊んでおいで。
 そして帰ってきたら……あなたの見てきたもの、聞いてきたものを、私に話して聞かせてね。





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最終更新日  2008年02月02日 14時25分15秒
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