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2006年10月30日
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カテゴリ:R.シュトラウス
 どちらかと言えば、山がすきである。

 故郷も、小さな山に囲まれた小さな小さな箱庭のような盆地だったが、

 僕は、雄大な山に強く惹かれる。

 何度か、信州の「先生」を訪れた。

 ドライブついでに屏風のように連なる1000メートル超級の緑の山脈を見せていただいたが、

 その世界の澄んだ空気が、今でも清清しい感覚として、思い出される。

 前々任地は、大きな山の中腹にある施設だった。

 下っ端だった僕は、夜勤明けの早朝に広い施設全体を見回りをするのが役目だった。

 独り、古い無線を抱えて。

 朝、ようやく日が昇り始めたころ、たなびく雲を身にまとった高峰の姿が絶景で、

 僕はその風景を見るだけで夜勤の疲れを忘れたものだった。

 さて、リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」は、その名のとおり

 シンフォニックな響きを誇る交響詩の傑作だ。

 ここでは、山で得ることの喜びのすべてが、めくるめく音の絵巻で描かれている。

 曲は、「夜」から「日の出」に始まり「山頂」でクライマックスを迎えたあと、

 「日没」そして再び「夜」に終わる。

 その過程で「滝」や「道に迷って茂みの中へ」や「幻」「エレジー」などなど

 こまかなエピソードがちりばめられているが、どれひとつとしてその標題を裏切らず

 文学的に、意味的に響き合いながら、全体の「交響曲」としての均衡を失うことがないところが

 さすが、リヒャルト・シュトラウスである。

 小澤の指揮するウィーン・フィルは、スケールが大きく頭から尻尾までよくコントロールが行き届き、

 ウィーン・フィル・サウンドの最良の形を堪能できる名録音となっている。

 1996年の録音だから、彼がウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任する前だ。

 この録音を聴けば、当時の彼の力量の凄まじさがわかろうというもの。

 「日没」で見せた極彩色の黄昏の表情は、師カラヤンを上回る奥深い精神性を垣間見せる。

 一時体調を壊したものの、最近ようやく復活のニュースを聴くようになった。

 小澤征爾という指揮者は、まだまだこれからも僕たちの耳を楽しませてくれるだろう。

 蛇足だが、この録音、

 リヒャルト・シュトラウス作曲「ウィーン・フィルのためのファンファーレ」

 の清清しくも凛々しい演奏のおまけ付きである。

 これも蛇足だが、わが妻は、どうやら山よりも海が好きらしい。

 困ったものだ。





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Last updated  2006年10月30日 23時55分28秒
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