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月夜に夢を  

月夜に夢を  

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2007.03.09
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カテゴリ:Mother
泣きながら繰り返す小さな女の子の声が耳につく。
お茶当番だった私が、事務所の流しで皆の茶碗を洗っている間 ずっとなのだ。
さすがに気になって廊下のブラインドから覗くと
すぐ裏の家の玄関で小学生の女の子の黄色いランドセルが
必死にインターホンにしがみついている。

「おかあさん お願い 開けてよ。お願いだから入れて。」

何度もそうずっと繰り返しているのだが、玄関のドアが開く気配はなく
洗濯物がただ風に揺れているだけだ。

一緒に泣きそうになった。

おそらく学校帰りなのだろう。単に鍵を忘れただけかもしれない。
あんなに鳴らしたって出ないのだから留守なんじゃないか。
でも。あれだけ執拗に繰り返すということは
母親が家にいることを確信しているのではないだろうか。
なにせ雰囲気が尋常ではない。

さてどうしようかと考えていると 
散歩中とみられる犬を連れたおじいさんが視界に現れた。
同じく尋常ではない雰囲気を感じとったのかもしれない。
女の子のかわりにインターホンを押してくれている。

…と ここで電話を取り次がれた。
終わったあとにもう一度窓から覗くと 女の子もおじいさんも見当たらない。
だから彼女が無事自分の家に入れたのかは わからない。
私が危惧したようにあえて母親が閉め出していたのかも わからない。

わからない分 気になっている。


閉じ込めたり閉め出したり そういうしつけを私は好まない。
「幼稚園のとき一度やったけど、あんたは友達の家に行って
夕飯ご馳走になっちゃったりして効果なしだったからね。」
と母が話すように 自分がそれ以来経験しなかったからということもあるだろうが、
何よりも その懲罰は拒絶の意味合いが強いような気がするからだ。
子供にとって親から見放されるほど怖いものはない。
ということはつまり懲罰としてかなり効果的だろう。おそらく。

でもそれって育児の怠慢じゃないか?
「お母さんの言うことがきけないなら もう知らないよ。勝手にすれば。」
これって相手の弱みにつけこんだ手っ取り早い支配関係じゃないのか?


先刻テレビのチャンネルをまわしたら放送大学で民族学の講義をやっていた。
反・文化相対主義(だっけかな?)の話に興味をそそられる。
「私は私、あなたはあなた、あなたがあなたのやり方でするのは勝手だけど
でも私の邪魔はしないでね。私に迷惑かけないでね。」

ははあ。きっと閉め出すという行為にはこの精神が脈々と息づいているに違いない。
自分の基準に合わないものは 自分に影響を与えないところへ追いやるかんじ。
目にも入れたくない、むかつくから、みたいな。

親が親自身のために育児してどうするのだ。



まあでも このブログは自分のため 私自身のために書くつもり。
残したままだったのは未練があったからでしょう。
なんかすっかり機能がアップして使いこなせそうにないけれど、
そろそろ定時で帰れそうだし、ぼちぼち再開していきます。






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Last updated  2007.03.10 01:01:39
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