199872 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

月夜に夢を  

月夜に夢を  

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007.04.11
XML
カテゴリ:Woman
ある意味尊敬していたのだ。

土木工事を家業としている関与先の奥さんから
若いときは一緒に現場に出て 手伝っていたのだと聞いたときに
ただ土砂を運んだりするばかりだったけどね と彼女は恥ずかしそうに笑った。
あっちにと言われればあっちに。そっちにと言われればそっちに。
その小さな身体で 重いコンクリートやブロックを運んでいたのか。
夏の暑い日も。冬の寒い日も。
屈強な男たちに混じって 毎日身体をはって働いていたと。
彼女が一番綺麗だったときに。
一日働いて へとへとになって帰ってきても 家事が待っているから大変だったよと
当時のその苦労を語る姿はどこか誇らしげだった。

だからきっと 背骨もこんなに曲がってしまっているのだろう。
それでも そのたくましさは美しいじゃないか。
地に足をつけて 自分の生活に向き合っている印象を受ける。
浅黒い肌に浮かび上がるシミさえも 勲章のような意味合いをもつのだと感じたのだ。
肌を焼くことを何よりも恐れ 
まるでお面のようなサンバイザー無しには出かけられないいまどきの女性達と比べてみても
何が本当の美しさなのかと 直感的にことの真偽を見抜くような気がした。



その奥さんが 今日ふいに「最近こんにゃくみたいになっちゃってさ」と言う。
洗顔のときに自分の顔の肉が垂れ下がっている(つまり弾力を欠いている)ことが
60歳を超えてから顕著に感じるようになり 哀しいのだと。
勲章のように見えていた(はずの)シミについても やたらと嘆く。




うかつだった。
これまで まったく気にしていないのだと思っていた。
上っ面よりも本質が大事というような示唆を
身体をはってあたしに与えてくれているのだとばかり思っていた。

68歳だって 女なのだ。
永遠に女なのだ。


見てくれも 大事。
二兎を追おう。と 軌道修正したのは言うまでもない。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.04.12 00:44:52
[Woman] カテゴリの最新記事


PR

Profile

月夜夢.

月夜夢.

Category

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X