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月夜に夢を  

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2007.10.09
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カテゴリ:Mother
高校っていったって 必死に受験勉強するわけじゃあるまいし
ましてや塾通いだの内申書だのまったく無縁。
ある意味エスカレーター式の優雅な私立の学校のような状況だけに
親は何もすることないね と 安心しきっていたのだが
さすがに来年高等部へあがる歳ともなれば 仕組みぐらいは理解せねばと思い
本日 我が娘の通う知的障害の養護学校の高等部の説明会へ。

地域の複式学級から来られたとみられる お子さんと保護者の方もちらほらいる中
我が娘が担任の先生に手をひかれてやってきた。
・・・え。一緒?

そうとは思わずスカートはいていっちゃったし 午後から仕事なのでジャケットまで着用。
うひゃー。絵本もおもちゃも何も用意していないのに 一緒に説明聞けってか。
速攻膝の上に乗ってくる娘をなんとか隣のパイプ椅子へ座らせ
とりあえずおとなしく座っていてくれることだけ願い(静かには無理)
パンプレットをやぶかれながらも いないいないばあなど相手をしてやり過ごした。
当然この間 説明などまったく頭に入らない。

次は少人数にわかれて 実際の高等部の作業の授業を見学することになり
娘の手をひき グループの最後尾をついていった。
どの作業班に属するかは 基本的には希望をとり いくつか経験させてみるのだという。

まずは陶芸班。素焼きの作品がぐるっと後ろを囲むように並んでいるのにびくびくしていたら
目の前の水の入った器をひっくり返された。しまった。油断した。

木工班では 電気の工具類のコードがあちこちに出てるもんだから
ふらふら歩く娘を抱えるようにしてただ室内を歩いただけ。
目の前を歩く親子が作品についてコメントしながら回る様がちょっと羨ましい。

農業班では 生ゴミと混ぜると堆肥になるのだという薬剤(土みたいなかんじ)を
シャベルで牛乳パックに詰めている作業にすっかり魅せられたらしく 
娘は珍しく自らすすんでずんずん近づいていく。
遊んでるんじゃないんだよ、と言ってもわからないのについ釘をさしたくなる。

作業所班では 近くの授産施設から内職の仕事のおすそわけをもらって
いくつかの種類を経験させているのだそうだ。
卒業後 作業所に勤めるための練習というかんじだろうか。
ブロックのようなピースの端の部分をちぎり 穴をあけ(プラモデルみたいなかんじ)
完成した品の個数を合わせるために 棒にさしこんでいた。
それを見た瞬間 家にあるおもちゃを思い出したのは どうやら娘も同じだったらしい。
目を輝かせ(たぶん) いそいそと椅子をひき 喜んで手をのばす。
だが 当然通らない。穴をあけないと通せないということは 理解できないのだ。
娘が座った椅子の隣で作業していた男の子が優しく教えてくれたが
結局穴をあけるのは あたしの仕事、みたいな。

紙すき班では もう疲れたらしく 部屋にすら入らないので
仕方なく廊下に飾られている高等部の子の絵を眺める。
そこに描かれているのは 間違いなく人間たち。しかも いきいきと。
だいたい絵をみると 成長レベルってのはわかるものなのだ。
あたしは当然青ざめて 「エスカレーター式であがれる」っていう情報を疑い始める。
だってみあたらないんだもの。線とか丸とか 色だけだとか そういう絵が。

その後 娘たちは教室に戻り 今度は本腰をいれて説明をきいた。
なんとこの学校の近くには100%の就職を約束する高校もあるらしい。
そうなればそこには競争原理が働き フツウに受験して落ちる子も出てくるわけで
障害児向けの塾とか もしかしたらあるのかもしれない。
すっかり無いものと思い込んでたけど。

説明が終わったあとも 目にした絵が頭の中にちらついて 
念のため 個人的に質問してみることにした。

「あの~ どんなに重い子でも受け入れてもらえるんでしょうか。
 そして発作などがあっても対応してもらえるんでしょうか。」

「大丈夫です。そういう子のための学校ですから」

きっぱり言い切るセンセイ。たのもしい。
どちらの学校か、と聞くから ここでお世話になっている旨を伝えると
さらに名前もきかれ 娘の名を答えると

「ああ。雫さんですか。だいじょーぶです。ここは雫さんのための学校です。
 なんの心配も要りません。喜んでお待ちしております。」


いっそのこと 大学まであればいいのに。






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Last updated  2007.10.12 21:35:35
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