月夜に夢を　　

オンナに生まれたからには　一度はやってみたい髪型があってもいいだろう。
それがあたしの場合　超さらさらストレートロングヘアと　ゴージャス巻き髪ヘア。

縮毛矯正がこの世に出たとき　くせ毛のあたしは拍手喝采
（なんせただのストレートでは翌日には戻ってしまう）
これまで　いろいろな長さで何度かお世話になってきた。とくに梅雨時。
が　今回この長さで　いよいよくせ毛がまたお出ましになってきたからと言って
安易にまたかけるわけにはいかない。
かけてから2週間ほどとはいえ　結べないわ、耳にもかけられないわ、などと言っていたら
ばっさばっさ滑るように目の前に落ちてきて　邪魔で邪魔で仕事にならないからだ。
さりとて　高いお金を出してかけてたものが台無しになっても困る。
ベリーダンスを続ける以上　短く切るわけにもいかない。
いまさら前髪をつくるというのも　結構勇気がいる。

ならば。もうひとつの憧れであったゴージャス巻き髪ヘアに挑戦するか、と　
ここいらで腹をくくることにした。
さすがに昔流行したロングソバージュ（ええ　やりましたとも）と違って
毎朝巻かなくちゃならないからねえ。覚悟がいるよねえ。
だけども　おばあちゃんになってリタイアしてから　
暇だからいよいよ巻き髪ロングにしてみるってのもちょっと怖いし。今しかないな。

残念ながら　最近出回っているデジタルパーマなるものは
あたしの通う美容院では扱ってくれない。
髪（毛根？）がめちゃめちゃ傷むからというのが理由らしいけれど
もしかすると　機械を入れるコストの関係なのかもしれない、と秘かに思っている。
なんせ理容とか美容機器はいちいちお高いわけで。本当のところは　わからない。


そんなこんなで　久しぶりにパーマをかけてアイロンまで購入。やる気十分。
ただし技術に少々不安があるため　念を入れて内勤の今日　初アイロンをあてることにした。
いざやってみると　なんだか懐かしい。高校のころ使っていた“こて”を思い出す。

パーマ禁止。ブリーチ（脱色）禁止。当時はカラーなんてものは無かったな。
途中で編入した高校はやたら厳しくて　リボンも髪留めも色が決まっていた。
私服の何でもありだった（化粧も当然ＯＫ）高校から移ったあたしにしてみれば
その校則がやけに馬鹿馬鹿しくて　結構教師に反発したりして。
若かったよなあ。って思わず遠くを見ちゃう。
　
あの頃は　こんな太い直径のものなどなくて　今思えば結構きつめにカールがついた。
もしくはブラシで前髪や横髪を流し　ケープでがちがちに固めたもんだった。
学校のトイレはケープの臭いが充満していたっけ。
修学旅行に“こて”を使って行って　東京駅で怒られたっけ。

全然意味の無いと思えることを　集団のルールという理由で押し付ける。
今思えば　校則は　その縛る内容に是非があるのではなく
思春期の子供たちの前に有無を言わさず立ちはだかることに存在意義があるって気がする。
反発し主張し　抗いながら自己を確立していくための必要悪っていうか。


大人になって今　まさか校則があるわけじゃなし　なんでも好きな髪型にすることができる。
それでも　色はここまでぎりぎり　とか　巻くのだってこのぐらいが限度　とか
自分のポジションを考え　客観的に判断しながら　制限をかけていく。

自由と　責任と。


時間をかけただけあって　結構いけてるんじゃないの？ってぐらいの仕上がりだったのに
誰からもお褒めにあずかれず。ぐすん。いーんだもーん。自己満足だもーん。