月夜に夢を　　

交際費における　ひとりあたり5000円以下の飲食代についての改正からずいぶんたった。
全額損金算入にするためにはいくつか条件があって
その中のひとつに　相手先名と人数の記載が必須となっている。

領収書の裏でもいいですから、と　何度お願いしても
どうやらめんどくさいらしく　いまだに書いてきてくれない担当先がある。
仕方がないので　月次資料をいただく都度　その場で社長に確認をとっている。

この日　この店で　誰と会っていたか。

つまりはそれをいちいち確認することになるわけで　なんだかな～。
手帳を見て必死に記憶を探ってもらう、というのが毎度恒例のようになってしまった。

7時に入った駐車場の領収書があるから
そこに近いこの店で　まず　だれそれさんと飲んで　そのあとタクシーで移動して
次に　この店でだれそれさんが加わったんですね？代行で帰ってますね？
じゃあ　このやたら高いタクシー代は誰の分ですか？

などといちいち確認せねばならない　あたしの職業って何？


加えて今日は　その「だれそれさん」っていうのが　名前がわからないという。

「だってさあ。取引先の若い衆を飲みに連れて行くのに　名前なんかきかないよ。
まずは自己紹介やってから　ってこともないだろう。合コンじゃあるまいし。
役職？ないない。そんなものはない。
あ。あだ名ならわかるよ。“副隊長”って呼ばれてる奴と“コーリー”って奴。」


うーん。彼の言うことももっともだ。
だがきっと　この交際費の改正の草案を考えたひとは　
あだ名しか知らない現場の人間を接待する、なんていう状況は思いもつかないに違いない。
ちゃんと名刺交換するような相手との飲食の場面。（料亭のイメージ？）


気持ちよく円滑に仕事をすすめるためには　実際　それも必要な経費で
中小企業にとって　同じように立派な交際費なんだけどなあ。