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月夜に夢を  

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2009.09.06
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カテゴリ:Life
同年齢で初産だということは 高齢出産に間違いない。
いくら母子手帳に「マル高」マークが押されなくなっても
めざましい医療の進歩があったとしても
人間が進化したわけではないのだから 出産適齢期というのは変わらないのだそうだ。

それでも何ら問題なく 元気な赤ちゃんが生まれたとの高校時代の友人からの知らせ。
もうひとりの友人と一緒に 
一ヶ月にもならない赤ちゃんと 母になった彼女の顔を見に お祝いに行った。

ご主人似の女の子を抱かせてもらいながら
もう二十年近くも前にもなるあたし自身の出産の記憶の糸をたぐっていく。
片手で抱けるほど軽くて 泣き声もまだ小さくて
こんなにも癒される存在だったのかと思うのは あたしが年をとった証拠か。
それとも我が子ではない 傍観者であるが故の気楽さか。
当時のあたしにそんな余裕はなかったなあ としみじみと感じ入る。

どうか幸せな人生を、と 親である友人やご主人は当然のこと
お祝いにかけつけて 生を受けたばかりの彼女を抱き上げた誰もがそう願うだろう。

三十数年前は あたしたちだってきっと その幸せを願われながら抱き上げられた。
その時点でまったくの白紙だったそれぞれの人生は 
色んな色を重ねていって今に至る。
両親をはじめ 祝ってくれた誰もがその後のそれぞれの人生など予想もつかなかったはず。

「どうかお願いだから嫁に行ってくれ」と母親に手紙を書かれるぐらい
心配されていたこの友人は 昨年結婚、今年出産ととんとん拍子に幸せを重ねている。
あんなに子供はまだ要らないといっていたご主人だときいていたのに
いざ生まれてみたら 相当な親ばかっぷりだという。

もうひとり 一緒にお祝いに行った友人は
数年前 略奪婚とも言える熱愛ぶりだったにもかかわらず 
ご主人以外の男性の子供を宿し 産むこともかなわず とうとう離婚が成立。
莫大な慰謝料を抱えつつも 相手の男性と静かに暮らしている。

あたしはといえば 子供なんて産まない、結婚なんて一生しないで生きていく、と
豪語していた高校時代を卒業した途端のできちゃった婚で親を泣かせ
挙句の果てに 一生しないどころか 2回も結婚してしまった。

それぞれに違うかたちの幸せを見つけながら 生きているあたしたちにも
やはりこの娘のこれからの人生なんて予想もつかないのだ。
だけど どんなかたちであれどうか幸せになって欲しいと 心から願う。





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Last updated  2009.09.12 13:15:46
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