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南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2006/07/23
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テーマ:海外生活(7772)



今年の夏も日本へは帰れなかった。
2004年の夏に一時帰国したので、たかだか丸2年のことではあるが。

日本への郷愁を普段ほとんど意識していない私だが、何かをきっかけとして日本のものがふいに懐かしくなることがある。
例えばそれは、匂い。皆さんもきっと心当たりがあると思う。


先週の日曜パザールで、珍しいものを見つけた。

 

生姜(zencefil/ゼンジェフィル)



そう。何の変哲もない、生姜(ゼンジェフィル/zencefil)である。
日本にお住まいの皆さんには、珍しくもなんともない食材。

だが、アンタルヤに4年9ヶ月住み、毎週パザール通いをしている私でも、生の生姜を見つけたのは初めてのこと!なのだ。
今まで、料理に生姜の風味を加えたい時は、日本から夫に買って帰ってもらったチューブのおろし生姜を、ちびりちびりと使っていたのである。賞味期限なんて、煩いことは当然言わない。
なので、もう珍しさと懐かしさとで、果たして料理にどれくらい使えるか考えもせず、即刻購入してしまった。
アフリカ産で、1キロ15YTL(約1300円)。写真の塊で、1YTL(約87円)分。

自宅に持ち帰り、早速何に使うか考える。
皮を剥き、鼻を近づけて匂いをかぐ。
ツーンと、清涼感ある生姜独特の香り。その途端、冷奴が脳裏に浮かんだ。
そう。冷やした豆腐の上に、おろし生姜と浅葱をのせて。。。。
ああ。もうたまらーん!絹ごしだの木綿だのにこだわってるどころじゃない。豆腐さえ手に入ればなあ。。。
アンタルヤでは、もちろん豆腐なんか市販されていない。こうなったら、アンカラの豆腐メーカーから送ってもらうしかないか。。。

とりあえずその夜は、手羽先を使った残りで、冷凍庫に保存してあった鶏の手羽元を醤油と砂糖でで甘辛く煮るのに加えてみた。
その後は、牛肉のそぼろや、棒々鶏用の鶏肉を茹でるために。
揚げ茄子に添えてもいいし、鶏のつくね団子に加えてもいいなあ。。。
冷奴こそ、いまだにありつけていないが、食卓に和食や中華の乗る回数が急増中のturkuvaz家なのである。
夏にピッタリの生姜の香り、せっかくだから目一杯味わおうと思う。


****


夏は花火のシーズン。
ここアンタルヤでも、夏になると海岸沿いで毎週末のように花火(havai fisek/ハヴァイ・フィシェッキ)が打ち上げられる。
日本でも、今頃は全国各地で大規模な花火大会が開催されていることであろうが、アンタルヤのしょぼくれた花火を眺めながら私が思い出すのは、決まってふるさとの小さな花火大会である。

日本海岸に面した港町の近くに生まれ育った私は、毎年7月の終わりに港で開催される花火大会を幼心に非常に楽しみにしていた。
娯楽などのあまりない時代である。花火の絶好の鑑賞ポイントになる埠頭までの道には夜店が並び、花火のお土産には必ず馥郁とした香りを漂わせる白桃を買って帰ったことも、甘い記憶となって残っている。

トルコに移住してから、日本の実家へは、娘たちの学校の休みを利用して2002年と2004年に帰省した。
私の生まれ育ったふるさとで、娘たちにぜひとも経験させたかったのが、地元の花火大会であった。
地元の商業・漁業関係者の出資によるものなので、規模は大したものではないが、ほんの目と鼻の先で打ち上げられるために、あたかも頭上から星が降ってくるような、流れ星の大群を目の前にするような迫力と臨場感に溢れているのが、私の密かな自慢なのだった。

物心ついた頃から、大学入学と同時にふるさとを離れるまで見続けた日本の花火の魅力を、日本よりトルコでの生活の方がすでに長くなってしまった娘たちにぜひとも知って欲しくて、2度とも花火大会に合わせて帰省したのであった。
娘たちは、ひょっとしたら私ほど興奮していなかったかもしれない。
きっとそうだろう。
高校卒業後、ふるさとの花火を観るのは、私にとって20数年振りのことだった。

 

 

日本の花火1

日本の花火2




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最終更新日  2006/07/25 06:19:00 AM
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