Ｔiｅｒ’ｓ　Ｂｅｎｃｈ

　Ｙ君は中高一貫の進学校に通う中学3年生。テニスが好きな素直な子です。ウェッブカメラ

による個人指導、ウェッブ指導と添削指導を受けています。

　成績は指導を始めた当初よりは上がっていますが今ひとつ伸び悩んでいます。現在、学年の

真ん中あたりでしょうか。

　原因は一つには成績を上げたいという欲が無いことです。だから添削の間違いがなかなか直

りません。僕は教えませんから、正解が送られてくるまでに1週間もかかることもあります。

　もう一つ考えられるのは高校受験が無いため危機感がないことです。県内でもトップを争う

進学校ですから高校へ行けば安心、みたいなところがあるようです。だから真ん中ならいい

や、と思っているようです。

　しかし高校は外部からも入ってきます。しかも公立の進学校の受験にに失敗して入ってくる

生徒が殆どですから真ん中より下の生徒はそのまんま下に押し下げられます。

　進学校の指導は成績上位4割の生徒のための指導ですからそれでは確実に授業についてい

けなくなります。しかも課題も試験も多いですから家庭教師がいても授業の補習やテスト対

策ばかりになってしまい、大学受験対策がうまく進まないことがよくあります。こうなって

しまっては国公立大学や難関私大は難しいでしょう。僕はこれまでＹ君の高校の生徒を何人

もみてきたのでよく判っています。

　Ｙ君には夏休み明けの定期試験で上位40番以内の成績を収めるか、公立高校を受験するか

という二つに一つの選択を迫るしかありません。

　友達関係も良く居心地が良くて他の高校に行きたくないのなら、なおさら頑張って成績を上

げてください。

　進学校で授業についていけない生徒よりもごく普通レベルの高校の生徒を難関大学に入れる

ほうがより簡単です。自分の学力よりも上の高校に行っては学校も楽しくなくなるし受験も難

しくなります。