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赤目四十八瀧心中未遂 (文春文庫) [ 車谷長吉 ] 読了。 平野から、草原へ、丘へ、そして山に入り、いよいよ一つの高みへ、 というわけで、 この方(つまり著者)の書いた本を、ちゃんと読んでみようと、 いよいよ、直木賞受賞の作品に入った。そして、一気読みだった。 この本に登場するすべての地名、(東京都方面は除いて関西部分)は 全部、アタマに入っているし、なんせ、書かれる人のセリフの関西弁は イントネーションに至るまで、読んで再現できる。 なんという、、幸運。 テーマとなっている、「アマ」ー尼崎。 住む、ことは無かったけど、 もちろん、何度も行ったことはある。 しかも、 小学生の時に、今でいう古物商取り扱い、昔はそういうのを骨董商、と言ったが お嬢、の母親が、趣味で始めたこのお商売のために、 関西の、所謂、「市(いち)」ーオークションの場ーいうまでもないが リアル、、に、連れて行ってもらっていたので、 その「市」の一つに、尼崎の下町があって、、 (3のつく日か、8のつく日か、、だった) 裸電球と、ほの暗さ、埃っぽさ、、人いきれ、、の空気を経験しているので (小さいとはいえ、強烈な印象) なおさら、臨場感あふれた。 大阪府になるが、「じゅうそう(十三)」の商店街の (行政府はまたぐが、すぐ隣り町)魚屋さんの 奥さん(苗字)という方から、母は、ブルドッグを 買っている。奥さんの紹介だったのかもしれない。 奥さんちには、ブリンドル(毛色)の、名前は忘れたが チャンピオン犬のオスが居たのだ。 母はメスを買って、このブリンドルと交配し、子犬を ゲットしようと思ったんだと思う。栗色の犬だったので、 名前はクリ、になった。 (今でいう、ブリーダー)。 子犬は3匹生まれたが、クリは出産時に亡くなった。 (ブルドッグの出産は難産) あたしが、中学2年のときである。 (ちなみに、この3匹、家族総出で、哺乳瓶で育て、3匹とも大きくなった) 小学校の時にさあて、4年か5年か、、アマの市(いち)に通って、 イスやら、ピアノやら、壺やらの大きなものの競りの場所を知り、 その市(いち)の帰途、犬の事を知り、、 子犬が産まれたのは、中学2年生だから、 すでに5年ほどは経過。”市”に出向くことはフェイドアウト。 その時くらいから、母は宝飾品の商いをするようになり、 業者が、ウチに来て、顧客のリクエストに、お答えしていたみたい。 その宝石屋さんは、ウチで宝石を広げて、 見せてくれる、、というのがその人のお仕事、、なのだから、 あたしも同席であったが、(当時は母40歳くらい、47歳で亡くなるのだが) 皮の袋から、チャラチャラと石を出すのではなく、 ジャーン!と、一列に並んだ指輪が10列ギッシリあるような、 四角いケースを開けるのだ。 光が出ているように、思ったものだ。 母の商売など、たかが知れているので、見せてもらっても、 それはまたすぐに閉じられたが。。 この本を読んでいる間に、断片的にいろんな思い出が浮かびあがり、 それはそれは、至福のひとときだった。 直木賞、という関門のなんたるか、が示されていると思った。 そろそろ、ちょうきっつあん、は卒業か。 しばらく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年09月21日 06時51分14秒
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