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カテゴリ:読書
久しぶりの更新は、やはり本の感想から・・・
小川洋子は実に不思議な作家だ。 これまでに読んだ‘博士の愛した数式’‘ミーナの行進’も、 ありないような設定なのだが、 いつの間にかその独特な世界に引きこまれて行く。 夢中になる、興奮する、なんていうのとは全く違う、 静かな吸引力だ。 気がついたら本の中で、自分が漂っている感じ。 このシンプルなタイトルの‘海’も、そう。 短編集なのだが、どの作品も何となく実在感に欠ける、 夢の中で繰り広げられるような散文的な話である。 読み終わると、 まさに夢のごとく忘れ去られてしまうような世界ではあるが、 いつまでも体のどこかに、彼女の感性が沈潜している。 それは、清涼感があり透明感があって、好ましい。 どの作品がどう、という薦め方はし難いので、 ぜひ一度、読んでみて! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
June 18, 2007 12:37:15 AM
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